卒業制作を終えた三月中頃、きしわぎは大学の就職科にひょっこり顔を出してみました。「もう卒業間近だし、そろそろ就職とかも考えなくちゃだよね!」と、なんとなく考えていたのです。そこで、きしわぎは目玉が飛び出るくらい驚きました。なんということでしょう!大学から紹介されている求人はすべて終っているじゃありませんか!
きしわぎは、必死に卒業制作の作品を作っている間に、大学生が"就職"できるチャンスであったはずの"新卒"のタイミングを逃してしまいました。さて、どうすればいいんだろう?きしわぎは三月の透き通る八王子の夕焼けに頭を抱えました。
でも、ちょっと待てよ?きしわぎは思いました。いままで会社に入って働くことなんて考えたこともなかったので、自分が何を仕事にすればいいのか全然わからなかったのです。
「世の中のオトナはみんな働いてるけど、どうやって仕事を見つけてるんだろう?」
これが、きしわぎの心に湧いた、仕事についての初めての疑問でした。
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