「豊田市美HP(展覧会URL)」
SF好きとしてはたまらなく興味をそそられるタイトル「反重力」。9月から始まったこの展覧会の告知文には、宇宙の加速膨張、宇宙旅行、テレポーテーションなどの言葉が並び、出品作家の名前にも心躍る。一方で気になるのが、同展が「揺れる大地 われわれはどこに立っているのか 場所、記憶、そして復活」をタイトルに掲げ、東日本大震災とその後の世界に正面から密接に向き合った愛知トリエンナーレとの連携事業であることだ。連携事業でありながら「反重力」という言葉づかいはいかにも解放的で大地と、その上に成り立つ現実から離れているように思える。しかし、この展覧会は現実世界、すなわち震災後を生きる2013年の私たち自身にとって、単なるファンタジーでも現実逃避でもない。むしろ、私にとっては途方もない現実味を伴ったものだった。以下はそのことについて展覧会を振り返りながら考えてみたい。
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