橋本浩


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画像出展:Scrapbookpages Blog

 アウシュヴィッツのガス室へ全裸で連れ込まれるユダヤ人男性たちの写真を評して、男性の突起物というのは物哀しさを誘う、と書いたのは誰だっただろうか。誰が書いたどの本だったかは忘れてしまったが、その文章を読んで以来、私は男性の突起物が引き起こす様々な悲喜劇に、時々、思いを馳せるようになった。言うまでもなく、男性の突起物は生殖器としての機能が遺伝的に付与されており、その限りにおいては、他の動植物の雄と何ら変わりがない。人間の男性もまた、本能によって女性との生殖行為に励むのであり、より優れた子孫を残すために、あの奇妙な突起物が備えられている。 » すべて読む

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【途絶えることのない「ゴジラ」シリーズ】

 庵野秀明監督の話題作「シン・ゴジラ」は、はっきりいってしまえば、諦めの映画である。もっといえば、祭りのあとですらある。それは庵野監督自身が一番知っているに違いない。
 庵野作品をほぼ観ていない私は、庵野監督の手法をどうこう語れる立場にない。しかしながら、初代「ゴジラ」を観れば、「シン・ゴジラ」がそれのオマージュとなっていることは明らかだろう。後者においても、ゴジラは凍結されたまま、死ぬことなく映画は終わる。歴代の「ゴジラ」においても、ゴジラは決して途絶えることがなかった。それが意味するものは何か。なぜ、ゴジラは続いてきたのか。映画「ゴジラ」シリーズを考えるとき、そこを素通りすることはできない。


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