西田 杏祐子

2007年の7月下旬から11月初頭まで、途中下山した4日間をのぞいて山で過ごした。
仕事内容は客食、掃除、小屋受付など。気温は真夏の日中でも20℃台、夜は氷点下になることもあり、8月にも関わらず霜焼けになった。10月に入ると沢から引っ張ってくるホースの水が凍結しはじめる。雪も降って時たま積もった。電力供給は自家発電のみ。お湯は火で沸かすしかなく、風呂は週に1度。それでも3日位放っておくと頭が痒くなってくるので、「水のいらないシャンプー」を頭皮にもみこみ冷水をぶっかけてごまかした。電気をつける(発電する)のは朝夕の食事の時間帯だけだが客の入らない日はまったくつけない。大体そんな日は台風などの悪天候で誰も登山なんかしないような日なので、失業したスタッフは暗闇の屋内に引きこもる。以上が端折りに端折った小屋生活の概観である。


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みなさん初めまして。これを読んでいる方もエンソフのメンバーの方も殆どが「初めまして」なのでとにかく初めまして。私は2009年よりフランスに住んでおり、パリから電車で40分の郊外・セルジーという町の美術学校に通っています。

これから書こうとしていることは留学をめざすようになってから今に至るまでの経緯ですが、正直ブログで自分の過去を曝け出すのはちょっとどうかと思っていました。ただ、もし記事を書く目的が私にあるとすれば、現在の視点から過去を思い返した際、その節々の場所的・社会的・経済的環境etcが自分の思考・行動・表現にどんな影響を与えていたか、そして現在や未来のそれとどのように繋がるのかを把握することはフランスで美大生をしている以上、重要なんじゃろなと考えた点にあります。

この記事は、だから何よりも自分の為に書こうと思うのです。
とは言っても、多くの方に読んでいただければ幸いです。


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