寄稿/転載



2016年7月末に紀伊國屋書店新宿南店が洋書売り場を残して大幅に縮小した。報道では「事実上の撤退」という表現で、跡地にはニトリが入るとかなんとか。世界一の乗降客数を誇り、あらゆる路線から文化を吸い寄せては発散してきた新宿の街でも、1000坪超えの書店を3店舗は抱えきれなくなってしまった。

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 (C)2016 TOHO CO.,LTD.


【途絶えることのない「ゴジラ」シリーズ】

 庵野秀明監督の話題作「シン・ゴジラ」は、はっきりいってしまえば、諦めの映画である。もっといえば、祭りのあとですらある。それは庵野監督自身が一番知っているに違いない。
 庵野作品をほぼ観ていない私は、庵野監督の手法をどうこう語れる立場にない。しかしながら、初代「ゴジラ」を観れば、「シン・ゴジラ」がそれのオマージュとなっていることは明らかだろう。後者においても、ゴジラは凍結されたまま、死ぬことなく映画は終わる。歴代の「ゴジラ」においても、ゴジラは決して途絶えることがなかった。それが意味するものは何か。なぜ、ゴジラは続いてきたのか。映画「ゴジラ」シリーズを考えるとき、そこを素通りすることはできない。


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(撮影:東間嶺、以下getty以外すべて同じ)

 Amazonを見ると、本書は〈ビジネス実用〉にカテゴライズされている。
 
 え? ビジネス書? 実用書? 
 これって、そういう本なの?
 
 それって、あれでしょ。「1日5分の何とかであなたの人生は驚くほど変わる」とか、「部下のやる気を引き出す10の言葉」とか、「武将に学ぶ仕事術」とか。なんか、そんなの。読んだことないからテキトーだけど。
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 今年のはじめ、デビッド・ボウイの突然の訃報が駆け巡ったとき、多くの追悼文のなかに「日本の少女漫画に与えた影響は大きい」という意味のコメントを目にした。少女漫画の美麗な男子キャラがボウイのルックスをモチーフにしていた、ということなんだろうか。ほかの意味もあるのかもしれないが、少女漫画に疎い僕にはよくわからない。ただ、同じように少女漫画が好みとする金髪碧眼のスターとして、ヘルムート・バーガーの名前を挙げてもそれほど的外れではないだろう、とは思う。

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転載許可をもらったので、以下、『大正文学論叢』第二号(七四~八五頁、明治大学大学院宮越ゼミ、二〇一六・二)に寄稿した「不幸な而して同時に幸福な――有島武郎『小さき者へ』と三木清「幼き者の為に」――」を画像データ(jpg)の状態で掲載する。テキスト状ではすでにパブーで公開している。

【目次】
一、二つのタイムカプセル
二、有島武郎と三木清
三、幸福のテクスト
四、ナビゲーション的機能と時の数的詳述
五、家族から社会へ
六、幸福と個性

 
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サイコロの展開図が和服を着ているヒトに見えて、授業から夢想の世界に旅立ったのが千九百七十年代、私が小学生のころのことです。そのこども魂が部屋の扉を三回ノックしたのは新世紀に入ってから。もういい大人になっていました。

神はサイコロを振らない、とアインシュタインは言ったそうです。

なぜなら……
神がサイコロだから。
そんな無茶なことを思いつきました。
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 『世紀の一戦』が終わった。5階級を制覇してなお無敗のフロイド・メイウェザーと、6階級(「飛び級」を含めて、20キロの体重差の中で!)で世界チャンピンとなったマニー・パッキャオという、ともに史上最高クラスのファイターが雌雄を決した大試合は、メイウェザーが(私が思ったよりは)かなりの差をつけてパッキャオに判定勝ちした。

 試合が終わった時、私は「やはり、現代ボクシングの到達点を見ることができた」と感じた。現在のボクシングのルールで採点するなら、「多少なりともメイウェザーに分がある」とも思ったが、正直、判定はどうでもよくなっていた。12ラウンドにわたって、非常に高密度の攻防を繰り広げた両雄に対して、尊敬と感謝の気持ちだけになっていた。

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まずはじめに、無があった。と書くと語弊がある。無を存在させてしまうからだ。ビックバンは無から生じたのではない。無さえ存在しないところへ生じたのだ。それ以前に何があったのかは定かではない。ビックバン時のそのエネルギーは膨張し続け、現在に至る。一説によると、ビックバン時のエネルギーが枯渇したとき、ビッククランチと呼ばれる時空の逆回転が起きると言われている。

映画「アルマゲドン」において、ブルース・ウィリス演じるハリーが地球に衝突する小惑星を爆破させるため自らの命を犠牲にして小惑星に埋めた核爆弾のスイッチを押すシーンがある。この映画は、はっきり言えば、このシーンのためだけにあるようなものだが、ハリーがスイッチを押した瞬間、ハリーの脳内で過去の記憶が一斉にサブミリナルのようにフラッシュバックする。それはまるでビッククランチにおける時空の逆回転であるかのようだ。
 
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お気に入りで毎日のように買っていたアイスの取り扱いがなくなるとの知らせに悲しみ、自分の生活の中で唯一といっても過言ではない楽しみはこんなに簡単に奪われていいものなのか、自分は毎日のように買っているのに不人気で販売中止とは不条理ではないだろうかと問う客、共感を覚える店員、後日、例のアイスのアップグレード版が発売になる、ここだけの話なんですけど、と伝える店員、大喜びして発売日を待ちわびる客、当日、喜んで買う客、その喜びにすごくほっこりする時間だったねと喜び合う店員たち、後日、全然別物じゃないか、前のやつのケミカルな味が好きだったのに、期待を持たせてそこから突き落とすとはどういうことだ、ひどい、上の人間を呼んで、店長じゃ話にならない、本社の人間を呼んで、と要求する客。勝手に期待してんじゃねーよと突き放す本社スタッフ。私が全部いけなかった、間違えた情報を伝えて期待させてしまった、責任を取る、といって辞める店員。

という場面が昨日見てきたチェルフィッチュの『スーパープレミアムソフトWバニラリッチ』にあった。

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He saw a family consisting of the father, and mother with 2 boys and a baby. Keith saw father take the baby and throw it from the cliff into the water far below, and then he pushed the other children off the cliff. After that he pushed his wife and then jumpded himself. Keith and his men got there and saw guy still floating alive, so they shot him.

(断崖の上で)彼は父親と二人の男の子の手を引き赤ん坊を抱いた母親の一家を見た。その父親が赤ん坊を取り上げると断崖から遥か下にある海面へと投げ入れ、それから二人の男の子を突き落とし、妻の背中を押した後、父親自身も飛び込んで行ったのをキースは目撃した。キースとその仲間達が一家が飛び降りた場所に到着すると、父親が海面から浮かび上がってまだ生きている事が判ったので、彼等は父親に向けて銃を撃った。(拙訳)

Richard Carl Bright "Pain and Purpose In the Pacific: True Reports of War"


 
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