書評
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『Witchenkare』第七号書評――矢野利裕・東間嶺・辻本力
- 2016年04月11日 19:22
- 書評
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危機の時代の芸術家:『天職の運命』からモランディまで〔後編〕
- 2016年04月02日 05:24
- 書評
- ART&レビュー
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危機の時代の芸術家:『天職の運命』からモランディまで〔前編〕
- 2016年03月03日 22:31
- 書評
- ART&レビュー
昨年11月に新宿文藝シンジケートの読書会で亀山郁夫の『ロシア・アヴァンギャルド』(岩波新書、1996年)が課題図書に取り上げられたが、『天職の運命』の舞台はロシア・アヴァンギャルドの前衛的な芸術運動が終息に向かったスターリン独裁政権下のソヴィエトだ。1932年、ソ連共産党中央委員会が「社会主義リアリズム」を標榜すると、既存の芸術団体の自主的活動は政府によって禁止され、文学、音楽、美術、演劇、映画などあらゆる芸術の統制がはじまった。知識人だけでなく一般市民の生活も監視下にあった極限の時代を、文学者、詩人、画家、音楽家たちはいかに生きたのか。『天職の運命』はロシア文学・芸術を専門とする著者が、長年の資料精査を踏まえて独裁政権下の芸術家の生き様を追ったドキュメントである。註を一切省いた体裁は、研究書というよりもひとつの読み物としての質を備えており、歴史映画の大作数本分にも値するほどのボリュームがある。
社会が危機的状況を迎えたときの芸術家の振る舞いというものを考えたくて本書を再読しているのだが、この時代の芸術家たちの選択は「抵抗/恭順」などという単純な二項対立では語ることができない。なにしろ、独裁者の気まぐれと報告書への帳尻合わせのために粛清の犠牲者の数が変動するような時代である。生きるために時局を読んで作風を変化させるにせよ、自分が信奉する芸術に殉じて餓死するにせよ、各々の芸術家が選んだ生き方はそれぞれにとって切実な選択だったのだと想像される。
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詩人の老い支度:岩佐なを『パンと、』をめぐる所感
- 2016年01月30日 01:35
- 書評
- 詩
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「大学は《自由》だから息苦しい」補遺
- 2015年07月17日 11:25
- 書評
「マガジン航」に日比嘉高『いま、大学で何が起こっているのか』(ひつじ書房、2015)への疑問から発した「大学は《自由》だから息苦しい」を寄稿した。けれども、ここでの文章ではいいたいことをいくつか削って綺麗に(?)整形してしまったので、言及すべきテーマがまだ少しばかり残っている。
今回は追記として、私がどうしても脱力感を感じてしまった文章に対して、少しばかりコメントを加えてみたい。 » すべて読む
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『Witchenkare』第六号書評――井上健一郎・荒木優太・三浦恵美子
- 2015年04月07日 18:35
- 書評
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「状況の関係性」試論――岡田利規『エンジョイ・アワー・フリータイム』書評
- 2015年01月20日 11:13
- 書評
岡田利規『エンジョイ・アワー・フリータイム』(白水社、2010・2)には三篇の戯曲が収められている。『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』(2009)、『フリータイム』(2008)、『エンジョイ』(2006)。何れも非正規雇用者たちが抱える問題を、物語的にではなく、グロテスクなまでに加工された、日常会話体の冗長な日本語表現によって提示しているものだ。以下では一番印象に残った戯曲『エンジョイ』にしぼって感想を記しておきたい。
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偶然を愛する?――東浩紀『弱いつながり』書評
- 2014年08月03日 18:29
- 書評
- OPINION&Critic
(↑すごいピカチュウみたい)。
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生き延びるためのアート――荒井裕樹『生きていく絵』書評
- 2014年07月29日 10:23
- 書評
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寄稿:三上良太【『小林多喜二と埴谷雄高』理想人たちの寓話】
- 2014年07月02日 16:27
- 寄稿/転載
- 書評
Amazon:荒木優太 【 小林多喜二と埴谷雄高 [文庫] 】
※ このテクストはもともと高橋から荒木への私信として構想され、書かれ、何人かにメールが送られ、そののち、第三者の判断で公開が提案されることとなった。読者は、以上の経緯を念頭においてほしい。
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小林多喜二と埴谷雄高という二人の作家がいて、少しだけではあるが、同じ時代に生きた。物語はこの二人の出会いから始まる、というのがこの本の書き出しである。といっても、二人が出会うことはなかった。せっかくどちらかがどちらかに会いに行ったのに、留守だったのだ。
昔の作家は、よく会いに行った。吉本隆明さんが太宰治の話をするときには、いつもあの人にカンパを頼みに行った。優しい人だった、と言っている。同じ話を何回もあちこちで言ってるのだ。それだけのことだった、ということだ。会いに行く、という場面から書き始めたのは、この著者のミソであるのかも知れぬ。書いた本人は人間嫌いである。そのことは本人がそう言っているから間違いない。違う言い方ではあるが。それなのに平気な顔でこういうことをする。著者は抜け目なく、なかなか油断のできない人物のようだ。
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