「幸福否定の研究」



【幸福否定の研究とは?】

勉強するために机に向かおうとすると、掃除などの他の事をしたくなったり、娯楽に耽りたくなる。自分の進歩に関係する事は、実行することが難しく、“時間潰し”は何時間でも苦もなくできてしまう。自らを“幸福にしよう”、"進歩、成長させよう”と思う反面、“幸福”や“進歩”から遠ざける行動をとってしまう、人間の心のしくみに関する研究。心理療法家、超心理学者の笠原敏雄が提唱している。
 


またも前回の更新から期間が空いてしまいましたが(二ヶ月強)、今回で、2年に渡って続いたこの連載も最終回となります。書き始めた当初の想定よりもずっと時間と回数がかかってしまいました。

理由のひとつとして、2年前から計5名の末期がんの患者さんを施術し始めたことがあります。その経験から得た知見によって新たに書き加えなければならないことが発生し、併せて全体の構想も変わっていきました。今回は、そういった点なども含めて、長期化した連載全体の内容を簡潔にまとめてみたいと思います。 
 
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【幸福否定の研究とは?】

勉強するために机に向かおうとすると、掃除などの他の事をしたくなったり、娯楽に耽りたくなる。自分の進歩に関係する事は、実行することが難しく、“時間潰し”は何時間でも苦もなくできてしまう。自らを“幸福にしよう”、"進歩、成長させよう”と思う反面、“幸福”や“進歩”から遠ざける行動をとってしまう、人間の心のしくみに関する研究。心理療法家、超心理学者の笠原敏雄が提唱している。
 


前回の更新で、暫定的な見解として、"症状"という視点からみた人間は環境に左右される受動的な生物ではなく、"主体性"を持っているのではないか、と書きました。

“主体性”という概念は、心理療法を通じて私が確認した"人間の本質"へ非常に大きく関わってくるので、今回は補完的にさらにいくつかの例を挙げてみたいと思います。まず、 ポール・ティベッツ(広島に原爆を投下しらB29戦略爆撃機「エノラ・ゲイ」の機長)の例を見てみましょう。
 
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【幸福否定の研究とは?】

勉強するために机に向かおうとすると、掃除などの他の事をしたくなったり、娯楽に耽りたくなる。自分の進歩に関係する事は、実行することが難しく、“時間潰し”は何時間でも苦もなくできてしまう。自らを“幸福にしよう”、"進歩、成長させよう”と思う反面、“幸福”や“進歩”から遠ざける行動をとってしまう、人間の心のしくみに関する研究。心理療法家、超心理学者の笠原敏雄が提唱している。




承前

またしても間隔が空いてしまったわけですが、前回は"症状"というものに対する私なりの考え方を書きました。主旨としては、これまでの患者さんに対する治療経験も踏まえた上で、"症状の強さは異常の程度と比例する"という、西洋医学の伝統的な考え方が必ずしも当てはまらないケースもあるのではないか?というものでした。

その延長にあるものとして、前回の最後で、「ストレス、トラウマ理論に立脚している現在の精神医療の問題点を簡単に紹介したい」と書いた通り、今回は笠原氏の心理療法の追試を踏まえ、現在の精神医学が孕む問題点に関しての私見を述べたいと思います。
 
(主に、笠原氏の著書、『加害者と被害者のトラウマ(国書刊行会、2011年)』を紹介する内容になります。)
 
 
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【幸福否定の研究とは?】

勉強するために机に向かおうとすると、掃除などの他の事をしたくなったり、娯楽に耽りたくなる。自分の進歩に関係する事は、実行することが難しく、“時間潰し”は何時間でも苦もなくできてしまう。自らを“幸福にしよう”、"進歩、成長させよう”と思う反面、“幸福”や“進歩”から遠ざける行動をとってしまう、人間の心のしくみに関する研究。心理療法家、超心理学者の笠原敏雄が提唱している。


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【幸福否定の研究とは?】

勉強するために机に向かおうとすると、掃除などの他の事をしたくなったり、娯楽に耽りたくなる。自分の進歩に関係する事は、実行することが難しく、“時間潰し”は何時間でも苦もなくできてしまう。自らを“幸福にしよう”、"進歩、成長させよう”と思う反面、“幸福”や“進歩”から遠ざける行動をとってしまう、人間の心のしくみに関する研究。心理療法家、超心理学者の笠原敏雄が提唱している。



前回は、「好転の否定」という重要な問題について考察しましたが、今回は心理療法を進めていく上で観察される「無意識の現象」というものについて解説します。(注1)大きなポイントとしては、以下の二点が存在します。順にみていきましょう。




  1. 治療者の理解が深まってくると、直前の出来事を探っても症状が消えにくくなる。
  2. 治療者が「抵抗」に直面しているかどうかが、治療効果に関係してくる。

 
 



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【幸福否定の研究とは?】

勉強するために机に向かおうとすると、掃除などの他の事をしたくなったり、娯楽に耽りたくなる。自分の進歩に関係する事は、実行することが難しく、“時間潰し”は何時間でも苦もなくできてしまう。自らを“幸福にしよう”、"進歩、成長させよう”と思う反面、“幸福”や“進歩”から遠ざける行動をとってしまう、人間の心のしくみに関する研究。心理療法家、超心理学者の笠原敏雄が提唱している。



前回は、私が6年前から、笠原氏の心理療法を追試し、下記項目の内容を肯定する結果を得たことを書きました。



①心因性症状は、直前の出来事が原因になっているか?

②原因の記憶が消えているか?

③原因となっていることは、幸福に関係することか?

④感情の演技で根本的な人格の変化が起こるか?

⑤抵抗に直面することで、心因性疾患の根本的な改善が起こるか?
 

 

今回は、心理療法を続けていく上で発生し、この連載でも何度か言及した”好転の否定”という問題について書きたいと思います。

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【幸福否定の研究とは?】

勉強するために机に向かおうとすると、掃除などの他の事をしたくなったり、娯楽に耽りたくなる。自分の進歩に関係する事は、実行することが難しく、“時間潰し”は何時間でも苦もなくできてしまう。自らを“幸福にしよう”、"進歩、成長させよう”と思う反面、“幸福”や“進歩”から遠ざける行動をとってしまう、人間の心のしくみに関する研究。心理療法家、超心理学者の笠原敏雄が提唱している。




前回は笠原氏の心理療法について紹介しましたが、今回は私自身の追試結果を書きたいと思います。本来ならばもう少し症例が増えてから発表したいところなのですが、「治療法として効果があるのか?」や、「幸福否定という理論の根幹とされる部分は本当に正しいのか?」については確認ができましたので、そこを重視して記述します。

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【幸福否定の研究とは?】

勉強するために机に向かおうとすると、掃除などの他の事をしたくなったり、娯楽に耽りたくなる。自分の進歩に関係する事は、実行することが難しく、“時間潰し”は何時間でも苦もなくできてしまう。自らを“幸福にしよう”、"進歩、成長させよう”と思う反面、“幸福”や“進歩”から遠ざける行動をとってしまう、人間の心のしくみに関する研究の紹介。




前回までで、1970年代に開発された小坂療法から笠原氏の心理療法が確立されるまでの経緯をひととおり説明しました。今回は、笠原氏の心理療法における症例について書きたいと思います。

笠原氏の心理療法の本質は、患者が抵抗に直面することであり、その際、感情の演技という方法を用い、抵抗に直面しているかどうかの指標として、反応の強さを観察します。そして、同時に“症状の直前の出来事を探る”という小坂療法を踏襲した方法も用いて症状の原因を探りますが、いずれにせよ、反応を頼りに強い抵抗へ直面させ続けるという点に治療の本質があります。

精神疾患全般、その他心因性疾患の症例があるようですが、特筆すべきは精神分裂病の症例が存在することでしょう。

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【幸福否定の研究とは?】


勉強するために机に向かおうとすると、

掃除などの他の事をしたくなったり、娯楽に耽りたくなる。

自分の進歩に関係する事は、実行することが難しく、“時間潰し”

は何時間でも苦もなくできてしまう。

自らを“幸福にしよう”、"進歩、成長させよう”と思う反面、

“幸福”や“進歩”から遠ざける行動をとってしまう、人間の

心のしくみに関する研究の紹介




前回は、笠原氏が治療の方法論として【空想】という手法を用いるに至った経緯と、分裂病の症状を引き起こす原因の解釈として【ライバル論】から【PTSD理論】、そして【幸福否定】の一歩手前に辿りつくまでの過程を書きました。

今回は、【感情の演技】という治療法と、【幸福否定】の理論が完成するまでの過程を書いてみたいと思います。
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【幸福否定の研究とは?】


勉強するために机に向かおうとすると、

掃除などの他の事をしたくなったり、娯楽に耽りたくなる。

自分の進歩に関係する事は、実行することが難しく、“時間潰し”

は何時間でも苦もなくできてしまう。

自らを“幸福にしよう”、"進歩、成長させよう”と思う反面、

“幸福”や“進歩”から遠ざける行動をとってしまう、人間の

心のしくみに関する研究の紹介




前回は、小坂療法の特徴である

「反応を追いかける」
「症状の直前の記憶が消えている出来事を探る」

という方法論によって、分裂病の原因論の理論的な側面の発展の経過を書きました。小坂医師のライバル理論までの経過と、ライバル理論では全ての説明がつくわけではない、とした、その後の笠原氏の試行錯誤の段階をまとめましたが、今回もその続きを書きたいと思います。
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