キリーロフ「くっくっくっ、愚かな人間どもよ。われこそは、新世界の神になる男、ハイパーメディア神人キリーロフ様だ。私がクリエイトとするハイパーメディア幻獣を使って、ネオ四大幻獣の封印を解き放ち、グローバルスタンダードと高学歴ワーキングプアで腐りきったこの世界に、真のIT革命をもたらしてやろうぞ。フッハハハハハ」



?「そうはさせないぞ、キリーロフ」


キリーロフ「むむっ、何奴?」


スタヴローギン「真っ赤な情熱背中に受けて、胸に光るは一番星。燃えろ、太陽フェニックス。ロシアのレッドクリフこと、ニコライ・スタヴローギンここに見参」


ピョートル「青い勇気が額に光れば、ヴィニィナ山も一撃粉砕。煌け、月光マーライオン。金木犀の香りにはご用心、ピョートル・ヴェルホヴェンスキー華麗に登場」


シャートフ「黄色いカレーを一口食べれば、握力が二倍になる。嘶け、奈良シカ。もうすぐ子供が生まれる予定の、シャートフとは俺のことだい」


キリーロフ「ふん、性懲りもなくまた現われたか、ポストデジタル三銃士よ……。貴様らの相手など、こいつらで十分だ。行けい、メディア幻獣たちよ」


メディア幻獣たち「メディメディメディメディメディメディメディメディメディ」


ピョートル「メディア幻獣か……。奴らの弱点は、頭の一つ目……。ということは、ここはハンドクラッシャーの使えるシャートフ、頼むぞ!」


シャートフ「任せろ。(固形カレー粉を食べる)。見ろ、握力が二倍になったこの腕の筋肉を。必殺! ハンドクラッシャー!!」


メディア幻獣たち「メディッ!……メディ……メディ……ウム……」


キリーロフ「くそう、黄色いのめ、小癪な。ではこいつでどうだ? いでよ! メディア幻獣とメディア幻獣を掛け合わせた、最強のメディア幻獣、その名も次元獣!!」


次元獣「ディメディメディメ」


ピョートル「次元獣……、聞いたことがある。たしか、旧約聖書が伝えるところによれば、古来ギリシャの哲学者アナクシマンドロスが、第三次メガロポリス大戦のなかで、幻獣改造実験を繰り返した結果、通常のメディア幻獣の二乗の攻撃力と三次曲線時空を自由に操れる特殊能力をもった幻獣を生み出してしまい、その余りの凶暴性のために生物兵器としての使用を諦め、四元次元鎖で封印していた筈。奴め……、自力であの怪物を産み出したというのか……。だが、大丈夫だ、みんな。奴の弱点は、七〇ある頭のうちの一つであることは間違いない。頭……、シャートフ、お前のハンドクラッシャーの出番だ!」


シャートフ「いいだろう。(固形カレー粉を食べる)。見ろ、握力が二倍になったこの腕の筋肉を。必殺! ハンドクラッシャー!!……ハンドクラッシャー!!……くそう、頭がありすぎて、どれが本体だか分からない。ハンドクラッ……ぐはっ! ピョートル……ぐはっ……、手を貸してくれ!……ハン…ぐはっ!」


ピョートル「待ってくれ! 今スタヴローギンが気分が悪いらしくて介抱してやってるんだ。スタヴローギン、君は体が悪いんだから無理しちゃ駄目だ。戦闘は僕に任せて、休んでコスモパワーをためることに専念するんだ」


シャートフ「ぐはっ! 早く応援を頼む、ピョートル! ぐはっ! 俺だけじゃこいつを食い止めることはできない……ぐはっ!」


ピョートル「黙れ小僧! お前にあの娘の不幸が癒せるのか。森を侵した人間が、わが牙を逃れるために投げて寄越した赤子がサンだ。人間にもなれず、山犬にもなりきれぬ、哀れで醜い可愛いわが娘だ。お前にサンを救えるか」


シャートフ「……分かった。つまり、あの禁術を使うときだということだな。体内のチャクラ八十四門を全て解放することで、通常の四倍の握力が出せる代わりに、使用後は肋骨が全て砕けてしまうという、シャートフ四十八手のなかで最も危険な伝説の奥義……。ふっ、次元獣よ、お前は幸運だな……四川老師さえ使うのを躊躇った禁術中の禁術をその眼に焼き付けておくことができるのだから、とくと見よ、その名も……禁術マックス☆ヴェーバー!!」


キリーロフ「な、なんというオーラだ。あのオーラ量を体内から放出してしまえば、術者の身体は勿論、精神さえ無事には済まないぞ! 自殺行為だ」


シャートフ「悪いな、キリーロフ! 禁術マックス☆ヴェーバーによって今の俺の握力は通常の四倍になっている。この状態のハンクラならば、まだ熟していない青い林檎さえも軽く握り潰せる。もちろん、これで俺の体はぼろぼろだ……だがな、キリーロフ! 俺は、いつも分の悪い方に賭ける、博打屋なのさ。てめえの運のつきは、俺みたいな馬鹿野郎がポストデジタル三銃士の一人だったってことだ。(固形カレー粉を食べる)。行くぜ。くたばれ、次元獣。必殺! ハンドクラッシャー!!」


ピョートル「黄色!!!!!!」


次元獣「ディメ!……ディ……ウム」


(爆発する次元獣。巻き込まれるシャートフ)


シャートフ「うっ……アンナ……ゴメンな……俺、いいお父ちゃんに……なりたかっ……(息絶える)」


ピョートル「イエロー!!!!!!」


キリーロフ「くそう、よくも次元獣をやってくれたな……。かくなる上は、私自らが……」


スタヴローギン「やめておけ。キリーロフ」


ピョートル「スタヴローギン?」


スタヴローギン「今のあなた。今のあなたの周りの人々。今のあなたを取り巻く環境。どれもずっと永遠に続くものではない。あなたの時間は常に流れ、あなたの世界は変化の連続でできている。何よりもあなたの心しだいでいつでも変わるものなのだ。その気になれば世界の位置を変えることもできる。世界の位置は常に同じところではなく、時の流れとともに変わっていくものなのだ。晴れの日は気分よく。雨の日は憂鬱に、と教えられたら、そう思い込んでしまう。雨の日だって楽しいことはあるのに。受け取り方しだいで、別ものになってしまう脆弱なものだ、人の中の真実とはね」


ピョートル「そう思えば、この現実世界も決して悪いものではない」


キリーロフ「現実は悪くないかもしれない。でも、僕は僕が嫌いだ」


リーザ「あんた馬鹿ぁ? そんなの自分で思い込んでるだけじゃない!」


キリーロフ「僕は僕が嫌いだ」


スタヴローギン「自分を嫌いな人は他人を好きに、信頼することはできない」


キリーロフ「……でも、好きになれるかもしれない。僕はここにいてもいいのかもしれない。そうだ、僕は僕でしかない。僕はここにいたい。僕はここにいてもいいんだ!」


(一同拍手)


スタヴローギン「おめでとう」


ピョートル「おめでとう」


リーザ「おめでとう」


ヴェルホヴェンスキー「おめでとう」


チーホン「おめでとう」


リプーチン「おめでとう」


ワルワーラ夫人「おめでとさん」


ユーリア夫人「めでたいなぁ」


G氏「クワッ…クワッ…」


メディア幻獣&次元獣「おめでとう」


キリーロフ「……ありがとう」



父にサンキュー、母にファッキュー、そして全ての子供たちに、感謝感激マジARASHI!!