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東間嶺『行為と場所の記憶/記憶---〈引込線/放射線〉』展示風景(撮影:東間嶺)
【報告】《引込線/放射線:Satellite Final, or...》
■ 皆様。急な『告知』…ではなく、『報告』を。
■ 3月31日の火曜日まで、昨年九月から続いてきた〈引込線/放射線〉プロジェクトの、書籍をのぞけば最後となるサテライト・イベントに参加していました。
■ 拡大が止まらない新型コロナウイルス感染症---COVID-19の影響(主には『自粛』)へのレスポンス的な要素も含んだ、有志数人による雑多なグループ展示で、本来なら事前にお知らせをしたかったのですが、急に決まった参加でどたばたしていたことに加え、東京都の外出自粛要請(3月25日都知事会見)などを鑑みて、個人的な告知は行いませんでした。
※(展示全体としてもオンライン中継を前提としたイベントの実施、土日を中心に公開状況をインフォメーションしない等、オープンとクローズが曖昧なまま会期を終えました)
■ そのため、以下、個人的な『事後報告』として、企画のうらあやかが制作したフライヤー画像と詳細情報、わたしの展示作品概要と設置の写真(エントリ冒頭との重複含む)を掲載します。
《引込線/放射線:Satellite Final, or...》
会期 | 2020年3月24日(火) - 3月31日(火)
時間 | 12:00-20:00(最終日-17:00)
会場 | HIGURE 17-15 cas(東京都荒川区西日暮里3-17-15)
アクセス | 山手線、千代田線の西日暮里駅から徒歩約10分弱参加作家|東間嶺、大塚聡、野本直輝、大久保あり、橋場佑太郎、眞島竜男、うらあやか、奥誠之、宮川宙知
東間嶺:行為と場所の記憶/記録---〈引込線/放射線〉
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■ 会場掲示はしませんでしたが、仮題は『行為と場所の記憶/記録———〈引込線/放射線〉』としています。旧市立所沢幼稚園の会期で自分がじゅうぶん実施できなかった滞在制作と同じ題で、撮影者として立ち会ってきた、目撃してきたさまざまな場面の記憶/記録であるというそのままの意味です。
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東間嶺『行為と場所の記憶/記憶---〈引込線/放射線〉』展示風景部分(撮影:東間嶺)
■ 31日のプロジェクト終了(実行委員会解散日)まで撮影を続けることによって、〈引込線/放射線〉へのわたしの関わり方は、単に主要会場へ作品を展示して終わるのではなく、もう少し積極的な、もう少しだけ深いコミットになりました。一つのテーマやコンセプトで選別されたわけではない、多様な/雑多な作家たちの姿や創作行為を記録する機会は、写真としてそれを作品化する、しない以前に貴重な体験をわたしにもたらしてくれましたし、さまざまなコミュニケーションの機会を得ることができました。その顰に効っているわけではなく、なりゆきの結果でしかないものの、大学時代に指導教官だったうちお一人が『私・写・録』の精神で活動してきた安斎重男さんだった縁を改めて感じる機会でもありました。
■ そして、現在も続くコロナウイルス感染拡大の影響が、上記のような人間の近接行為そのものへ根本的な修正を迫るPost-COVID-19、アフター・コロナ時代の幕開けに、もし、なるとすれば、〈引込線/放射線〉でわたしの撮影した写真の意味も、今後、変化を余儀なくされます。写し、写される関係性のなかで同様の行いは困難になり、過ぎ去った時代の、呑気な、奇妙なふるまいの記録となるわけです。
■ 九年前の震災と原子力災害が同様だったように、生きているうちに、再びあのようなパラダイム・シフトに立ち会っている(…のかもしれない)のは運がいいのか、悪いのか、なかなか一言では表現しづらいのですが、時代情勢へのレスポンスを目的に企画され、途中からその対象による浸食によってオープン/クローズが曖昧となった《引込線/放射線:Satellite Final, or...》は、内容とは別に〈引込線/放射線〉プロジェクトの最後を飾るサテライトとして、忘れがたい印象を参加者に残したことは間違いなさそうです。
※ 展示プリントのデータは今後、ウェブ公開する予定で、アーカイブとしても〈引込線/放射線〉公式ウェブサイトに完全版が掲載される見込みとなっています。