このエッセイ(ぼくの死刑廃止論)は2017年3月24日から25日にかけて書かれた。3月25日がぼくと東間嶺くんが運営しているSBS(新宿文藝シンジケート)の第73回読書会の開催日にあたっており、要はその開催前日に着想し、アルバイトの休み時間などを利用して書かれたため、手書きである(コンビニで購入したレポート用紙にボールペンで書かれた)。読書会メンバーからは手書きになかなか味があるという意見があったため、コンビニでコピーされたものをスキャンして、ここに公開することになった。書くのにかかった時間は1時間半くらい。最初は愛用の手帳(高橋書店から出ているビジネス手帳No.47)のメモ欄に書き殴ったものを元に、およそ1時間加筆して出来上がったものである。
ちなみに第73回読書会の課題図書は東間くんが選書した、森達也『死刑』(角川文庫)だった。ぼくはこの本を読み進めるうちに、だんだん気分が悪くなり―それが彼のエクリチュールの魅力でもあるとはもちろん分かっているのだが―心に沈殿した悪影響を自分から取り除くために、厭世的かつ実存的な調子で、自分の死刑に対する根源的な意見を整理する必要が生じたようだ。読書会メンバーからはレトリカルであり、本心ではないのでは、という意見が寄せられたが、そんなことはなく正直に書いたらこうなってしまったのである。もちろんご意見・ご感想・ご批判は歓迎するしだい。どうぞ、ごゆっくりご笑覧ください。(2017/3/28)
(編/校正:東間 嶺@Hainu_Vele)