20160321

2016年5月1日に東京流通センターで開催される文学フリマに出店します。
サークル名は「働くメンヘラ」、スペースは「イー21」です。
 
サークル紹介 「働くメンヘラ」 イ-21
「第二十二回文学フリマ東京」2016年5月1日(日)のご案内
 
今回、頒布するのは小説本『バスケット・ケース』で、表題作「バスケット・ケース」と、「グリーン・バスケット・ケース」の2篇が収録されています。キャッチコピーは下記。
 
「労働」×「メンヘラ」
トップアイドル桜庭七子が突然のグループ卒業宣言!それにショックを受けた東大生が自殺したらしい?インターネットの海は大混乱し、やがて「僕」が働く世界も崩壊していく。「精神病者が働くこと」をテーマにぶっとばす青春メンヘラ文学、ここに登場!

ジャンルは、純文学です。
 
2011年から2014年まで精神病をテーマにした執筆を続けてきて、2篇の小説と、1篇の評論を書きました。評論はエンソフにも掲載した小林美代子論で、小説は今回の同人誌に収録する2篇です。しかし、評論は群像新人賞で1次予選も通らなかったですし、この2つの小説も何度も書き直しながら新人賞に応募しましたが、一度も予選通過しませんでした。
 
2015年度はいったんこのテーマから離れて全く毛色の異なる小説を書いて新人賞に応募することができましたが、今回、同人誌を出すにあたり原稿を読み直してみると、やっぱりテーマが新人賞向きではないなあと反省しております。
 
インターネット上にはうつ病や統合失調症、あるいは発達障害などメンタルな病を抱え、それを自称しながら、創作活動をしている人たちが多数いて、そのうちの少なくない人が新人賞に応募しているように思います。つまり、新人賞には「心を病んだ人」からの応募が山のように集まってきているのでしょう。いくら自分にとって重要で切実なテーマであったとしても、(あるいは思いが強いほど)、他人にとってはどうでもいいありふれたテーマであることはよくあることだし、新人賞というものは個性を競う場でもありますから、他人と同じような物を応募していたら予選を通過することすら難しいでしょう。(文芸誌の新人賞で予選通過するのは日本の消費税率より確率が低い)。
 
では、なぜそんな落選作をIndesignでDTPし、印刷所で製本して、文学フリマで売るのか。それはやっぱり自分にとっては思い入れの強い作品だし、全くの駄作とは思っていないからです。確かに新人賞には向かない作品かもしれないけれど、「届くべき誰かには届いて欲しい」、そんな希望を持っている。この小説が自分以外の誰かに読まれて欲しいと熱烈に思うからです。
 
収録したのは、精神病者が働くことについての小説2篇ですが、キャッチコピーではあえて「メンヘラ」という言葉を使いました。この言葉を不快に思う人もいるかもしれないし、病者が働くことは大変なことなので、そんな軽い言葉で語って欲しくないと憤る方もいらっしゃるかもしれません。しかし、小林美代子論でも触れましたが、精神病者の人権が尊重されるようになったのはそれほど昔のことではありません。今でこそ街中にメンタルクリニックが乱立し、通院しながら働いている人はまったく珍しくないですが、一昔まえまで病者は収容されるのが当然だったのです。「メンヘラ」という言葉は、精神病者が街に根付いて暮らすようになったからこそ生まれた言葉であり、いくらインターネットが発達していても病者が病院に隔離されるような社会ではあり得ない言葉だと思います。精神病者が社会の中で生きていく様を象徴するものとして、「メンヘラ」という言葉をキャッチフレーズに使うことにしました。
 
肝心の小説ですが、「バスケット・ケース」はインターネットの炎上をモチーフにした、私小説のようでもあり、実験的な空想小説の要素もあり、嘘のような本当、本当のような嘘、その境目をぐちゃぐちゃに掻き回そうとする作品になっていると思います。一方、「グリーン・バスケット・ケース」は、実話が元になっていて、2007年頃が舞台の、仲間とともにネットラジオを立ち上げるお話です。両方とも、インターネットというものが重要な位置を占めていて、ネットと文学の化学反応を意識しました。

ぜひ文学フリマにご来場いただき、お買い求めください。一冊500円です。