以下の短歌の成立過程について説明する。
 ここ数日間、私は福島遥歌集『空中で平泳ぎ』に収められた歌をそれぞれ〈 〉で括った2つのパートずつ、計6回に分けて個人ブログの方に打ち込むという試みを行った(リンク先を参照)。そして、毎回打ち込んだ後に打ち込み後歌=効果として1つのパートごとに短歌を1首もしくは2首作成した。
 これから読まれるものはそのような過程を経て産み出された歌である。

 杏ゝ颯太


〈音の無い爆発〉〈棲む人〉

ててててて てててでててて ててててて ててて手ててて て手てでててた


〈夏の歌集〉〈ともだちになりたい〉

カムズ・スーン・ザ・フレンド・フォー・チルドレン!今宵当座のはっぴいえんど


〈帰ろう〉〈小学生讃歌〉
 
見上げればピッチャーフライの雨霰どーんどーんと白球弾み

「にじゅう」さんですか?ーーにじゅうさんです。
もっしもーし、にじゅうさんですか?


〈リキッドソープは泡立たない〉〈宙づりの昼〉
 
ふなふなとなしーの語尾を携えて既読をひとつ7時間前


〈匂いのないからだ〉〈バター〉
 
好き間を空けなければ まずはあなたのために それからわたしのために

あなたのあなたのあなたのあなたは味方の敵の敵ゆえわたしの味方


〈かたくてやわらかい〉〈まばたき〉
 
ああ、この地上で踏みとどまるものたちの体臭と立姿よ