無表情な曇空がどこまでもつづく日曜の午後。15時40分、二階建ての小さな建物を改装したそのギャラリーに辿り着くと、長方形をした小部屋の壁面に「ráɪt」の文字をかたどったネオン管とシンプルな白の掛け時計が設置されていた。
ネオン管はコードでつながれているが灯りが点っておらず、秒針をはずされた掛け時計は少し先の時刻である15時50分を指したまま時が止まっている。照明器具としての機能を停止させた空虚なネオン管と、長針も短針も微動だにせず無用のオブジェと化した時計。1階に設えてあるのはそれぞれ《ráɪt》《15:50》と題されたこれら二つの作品のみで、空間の白さと要素の少なさが静態的な場を演出している。
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