2018年01月


きょうのてらださん(冬の日々---2 新年)より続く。

真冬なのです。

(滋賀でも)少し雪が降りました。

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---『回花歌』梗概---
舞台は2000年代、とある大陸の西方にある街。"私"と家族は牛肉麺屋を営んでいる。街は、かつて核実験が行なわれていた土地のすぐ近くにあり、その影響を暗に示すような出来事が、家族の周囲ではいろいろと起きている。しかし、"私"と家族を含め、街の人々は核や原子力に対する正しい知識や情報を持たず、故に恐れを抱くこともない。彼らは宗教と自身の信仰心を大事にし、家族や親族、友達を大事にして生きている。「何かがおかしい」と感じられるような状況下でも、人々の生活は変わらずに続いてゆく。『回花歌』は、そんな物語である。
 

9---"来客"より続く)

10--- "伯父の申し出"


話し終えると、伯父は父を見た。父は、殻が堅くてなかなか割れない南瓜の種をこじあけようと格闘していたせいで、伯父の視線が自身に向けられたことに、はじめは気づかなかった。しかし、テーブルに座っている人全員の視線が自身に向けられていることにそのうち気づき、格闘するのを止めて口の奥から種を取り出すと、茶碗の横にそっと置いた。

ライヒが大きなくしゃみを連発したあと、不快な音をたてながら鼻をすすったので、私は席を立ち、レジスターの脇にある売り物のポケットティッシュをライヒに差しだした。彼はそれを受け取ると、また不快な音をたてて思いきり鼻をかんだ。母はそれを来客に申し訳ないと思ったのか、ライヒのことを「この子、風邪でねえ」と伯母に言うと、伯母は愛想笑いを浮かべて何度かうなずいたが何も言いはしなかった。伯父と同様、おそらく伯母も父が何か言うのを待っていたのだろう。けれど、父は黙ったまま茎茶を一口飲んだあと下を向き、前方を見たかと思えば顔を上にあげ、右手で顎をさすった。そして、やはり黙ったままだった。
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2018年1月21日(日)午後3時半過ぎ、飯田橋のトッパンホールへ。瀬川裕美子さんのピアノリサイタルに足を運ぶのは2度目です。前回は2016年6月11日(土)肥沃の国の境界にて〈線・ポリフォニー⇒…! ?〉でしたから、もう2年も前です。その感想は当時Facebookにも記しました。が、自分なりに上手くまとめきれなかったと無念が残ります。あれから2年。瀬川さんはどっしりとした大樹のような、大きな柄(がら)を持つご自分の音楽を打ち立てられたんだな、とぼくは確信しています。約80分間のステージに満ちる、彼女の圧倒的な音楽の力に釘付けになりました。


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イラスト:寺田めぐみ(公式ウェブサイト:Megumi Terada Illustration
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きょうのてらださん(冬の日々---1))より続く。

あけましておめでとうございます。

姪にお年玉をあげる

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 神保町の三省堂本店の裏側に東京堂書店(東京都千代田区神田神保町1丁目17番地)という本屋がある。一階にはカフェが設置。購入した本をコーヒーでも飲みながらそのまま読める親切設計だ。最上階はホールになっていて、人文書系のイベント・スペースになっていることは、本好きならば周知のことだろう――ちなみに今月は柄谷行人の書評集出版を記念して苅部直との対談イベントがあるようだ、要チェキだぜ――。

 で、その東京堂書店さんが、なんと驚き、私の新刊『貧しい出版者――政治と文学と紙の屑』(フィルムアート社)のフェアーを開いてくれているのだという。

 ……というか、まあ、前から知らされていて、事前に荒木オススメ本も20冊ばかり選んで出版社にコメントも送ったのだが。まあ、そういう無粋なことは措いておいて、一月八日、実際に行ってみた。

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地下鉄からだとA7の出口から出るといいゾ!


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