2017年11月

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毒入りのオレンジは藪の中

 『狂気に生き』(1986/新潮社)は、今や時代劇作家として高名な佐伯泰英が手がけたボクシング・ノンフィクションである。
 つい先日、この本を約20年振りに読了した。約20年前の私は、メキシコで知り合ったあるボクシング関係者からこの本を勧められ、彼のコレクションを一時拝借して読みふけったものだった。久し振りに読みたいと思ったのは、私の興味が、ボクシングそのものよりも、制度や業界の裏側に移っていったという事があるだろう。
 
 この作品は、第一部「パスカル・ペレスへの旅」、第二部「疑惑のタイトルマッチ」の二部構成で書かれており、戦後まだ間もない焼野原の状態であった日本ボクシング界から、メキシコ、アルゼンチン、ベネズエラを経由し、当時週刊文春の記事によって世間を騒がせていたいわゆる『毒入りオレンジ事件』を睥睨する怪作である。

 再読してみて、殆どを忘れていた事、そしてここで提示された問題が現在も未解決である事に気付かされた。
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きょうのてらださん(ハロウィンとお葬式))より続く。

スカートとファスナーと日本刀と文化祭

(ある日のこと)m岡さん(男性)がスカートはいて来た。

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---『回花歌』梗概---
舞台は2000年代、とある大陸の西方にある街。"私"と家族は牛肉麺屋を営んでいる。街は、かつて核実験が行なわれていた土地のすぐ近くにあり、その影響を暗に示すような出来事が、家族の周囲ではいろいろと起きている。しかし、"私"と家族を含め、街の人々は核や原子力に対する正しい知識や情報を持たず、故に恐れを抱くこともない。彼らは宗教と自身の信仰心を大事にし、家族や親族、友達を大事にして生きている。「何かがおかしい」と感じられるような状況下でも、人々の生活は変わらずに続いてゆく。『回花歌』は、そんな物語である。
 

7---"女性の生き方"より続く)

8--- "きのこ雲"


店に戻ると家族や叔父夫婦のほかに客人もいて、新種の薬草の話で盛り上がっていた。彼らは、今回協力して薬草を摘みに行く牛肉麺屋や肉屋の人たちらしかった。テーブルの上や周りには、食べた後に残された、西瓜や向日葵の種殻が散乱していた。私は翌朝、それらを綺麗に掃除しなければならないことを、ひどく面倒に思った。

なんとなく喉が渇き、私はヤカンから茎茶を湯のみに注いで、一気に飲み干した。店を見渡すと、みんなが座っているテーブルから少し離れたところに、ライヒが小さく座っていた。話の輪に加わるわけでもなく、みんなの話も聞いているのかいないのか、とにかくぼんやりとしていた。私は彼の隣に座り、小さなため息をついた。
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きょうのてらださん(飲んだり食べたり---②))より続く。

ハロウィンのあれこれとお葬式

(時事ネタ)ハッピーハロウィーン

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