2016年05月


承前 :【瀬川さんの6月のリサイタル/1914年のミュンヘンをめぐる妄想

どうしてもパウル・クレーとフーゴ・バルの1914年の関係が気になって、自室の片隅からバル『時代からの逃走』(1975年、みすず書房)を掘り起こしてしまった。パラパラと必要に応じて飛ばし読むと、バルの主導した展覧会でクレーの絵を展示していたのは確実だ。おそらく、ふたりは面識もあったはずだ。

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ブータンのビザ書類に記載された旅行日程


ブータンのあとで】ブータンについて---26(完)から続く
(本文、デジタル画像編集、構成/東間 嶺、以下すべて同じ)

ネテンへのメール

2014年のブータン訪問から、一年半が経とうとしていた。4月の上旬、私はまたカリフォルニアから飛行機に乗って、ブータンへ向かっていた。

二匹目のドジョウを狙うのは愚かなことで、そんなことはしないように日頃から気をつけている。だからブータンでの日々を懐かしく思い出すことはあっても、再訪については慎重に考えていた。でもいつか、また行きたいという気持ちと、再訪するのはばかげているという二つの考えのあいだを、行ったり来たりするのに疲れてしまった。

迷っていることに疲れるくらいだったら、「もう一度行く」ということにしてしまったほうがいい。
昨年の初夏、そんな結論に辿りついた。 » すべて読む

 今年のはじめ、デビッド・ボウイの突然の訃報が駆け巡ったとき、多くの追悼文のなかに「日本の少女漫画に与えた影響は大きい」という意味のコメントを目にした。少女漫画の美麗な男子キャラがボウイのルックスをモチーフにしていた、ということなんだろうか。ほかの意味もあるのかもしれないが、少女漫画に疎い僕にはよくわからない。ただ、同じように少女漫画が好みとする金髪碧眼のスターとして、ヘルムート・バーガーの名前を挙げてもそれほど的外れではないだろう、とは思う。

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目黒のBuncademyで開かれている近藤譲先生による原書講読講座が、去る5/1(日)に無事終了した。終了といっても、これは第3期の講座が終わったのであり、近いうちに第4期が開かれる予定となっている。ちなみにいま、近藤先生指導のもと、講座のみんなで読んでいる本は Mark Evan Bonds(ノースカロライナ大学チャペルヒル校音楽学部特別教授)の『Absolute Music』(2014年、Oxford University Press)である。決して易しくはないが、ワグナーが1846年以降世に広めた、"絶対音楽"(Absolute Musik)の起源を古代ギリシアから中世ヨーロッパ、そして20世紀に至る音楽史の中に辿っていくという、壮大な規模と深度を持ったストーリーを追っていける、実に読み応えのある一冊。
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 2016年4月27日、内山高志は自身の持つWBAスーパーフェザー級世界タイトルの12度目の防衛戦の挑戦者として暫定王者ヘスリール・コラレスを迎え、僅か2ラウンドでタイトルを失った。ファン・カルロス・サルガドからタイトルを奪ったのが2010年1月11日だから、六年以上の長きに渡って防衛したタイトルを僅か六分で失った事になる。
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書影引用:Amazon

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5月1日(日曜日)の午後3時から、目黒区のBuncademyにて、近藤譲による 第3期現代音楽鑑賞講座の第7回(最終回)が開催された。今回は米国のアルヴィン・ルシエ(Alvin Lucier, 1931-)の『I am sitting in a room』(1969)という録音を主に聴き、またあわせて彼のドキュメンタリーDVD『No Ideas But In Things』に収録されている「Music On A Long Thin Wire」という映像を見聴きし、ひろく音楽における自然と藝術の関係について、考えるこころみである。
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転載許可をもらったので、以下、『大正文学論叢』第二号(七四~八五頁、明治大学大学院宮越ゼミ、二〇一六・二)に寄稿した「不幸な而して同時に幸福な――有島武郎『小さき者へ』と三木清「幼き者の為に」――」を画像データ(jpg)の状態で掲載する。テキスト状ではすでにパブーで公開している。

【目次】
一、二つのタイムカプセル
二、有島武郎と三木清
三、幸福のテクスト
四、ナビゲーション的機能と時の数的詳述
五、家族から社会へ
六、幸福と個性

 
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