2016年01月


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岩佐なを『パンと、』(思潮社、2015年) 画像:amazonより


 2016年に入ってはやくも1ヶ月が経とうとしているのに、思い出されるのは何故か去年のことばかり。年明け最初のエントリにふさわしくない内容であるのは承知の上で、昨年読んで印象に残った本について書きたい。2015年は、川田絢音の『雁の世』と岩佐なをの『パンと、』に感銘を受けた。奇しくも2冊ともベテラン詩人による思潮社刊行の詩集である(川田は1940年生まれ、岩佐は1954年生まれ)。

 川田についてはまた別の機会に譲るとして、今回は岩佐なをの『パンと、』についての所感を記しておこうと思う。
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クマ
(本文、デジタル画像編集、構成/東間 嶺、以下すべて同じ)


今回の一時帰国が特別というつもりはなかったのです。

長年海外に住むあいだ、度々一時帰国していました。
でも最近、私にとって一時帰国の意味は大きく変わってきました。

6~7年前までは、友人たちと会って楽しく過ごし買い物をするのが一番の目的でした。でも今は両親が高齢になったので、家族と過ごす時間の方が大事になりました。高齢者の生活感覚や生死感というのは独特で、短期間でも一緒に過ごしていると、私も影響を受けるようになります。慌てることはないんじゃない、と言われそうだけれど、自分の時間も限られていることも意識するようになりました。



「あたかも一万年も生きるかのように行動するな。生きているうちに、許されている間に、善き人たれ。」

マルクス・アウレーリウス(『自省録』、岩波文庫、48頁)
 

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 無沙汰してます。前回の更新から随分と間が空いてしまいました。

 さて、今回は以前ご紹介した『フルートベール駅で』の制作者だったフォレスト・ウィテカー繋がりという事で、『大統領の執事の涙』を紹介します(この作品で、ウィテカーは主演を務めています)。タイトルに「涙」と入ってますが、安っぽいメロドラマではありません。

 監督はリー・ダニエルズ。共演で印象的なのは、ウィテカー演じるセシル・ゲインズの妻役で、高名なトークショーの司会者でもあるオプラ・ウィンフリーです。「アメリカで最も影響力のある女性の一人」と言われる彼女ですが、演技も達者だったんですね。この『大統領の執事の涙』でも良い仕事をしています。他には、一昨年の夏に自殺してしまったロビン・ウィリアムズがアイゼンハワー大統領役で出演しています。

 内容をザクッと説明すると、「七人のアメリカ大統領に仕えたホワイトハウスの執事が黒人大統領の誕生を目にして涙するまでの物語」です。
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 1月10日、早稲田大学で開催された若手法哲学研究会(第26回)にて、「どんな他者となら共生できる?」という題で、私が昨年『群像』に出した評論「反偶然の共生空間――愛と正義のジョン・ロールズ」に関連して、45分ほど発表させてもらった。吉良貴之さんには拙論に関するコメンタリーを事前に書いてもらった。
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illustration:長野 精いりん/Seirin Nagano 
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イラスト:寺田めぐみ(公式ウェブサイト:土星カフェ

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