2015年10月

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写真:2015年のチェルノブイリ原子力発電所近郊空撮。現在も立ち入りは制限されている(© Google Maps、キャプチャ&補正=東間 嶺)

第一回(10/03~10/10)から続く。】

◆ 10月2回目の更新。約20日空いたが、思った以上に記録すべきニュースが多く、なんとも長々とした回になった。次からはもう少しコンパクトにしたい。

◆ 10月全体で特に印象的なのは、イギリスが中国製原発の導入、日本がイランの核支援を決めたことだ。どちらも、引き返せない一歩を踏み出した感がある。川内原発二号基再稼働&伊方原発三号基再稼働決定は驚くようなことではなかった。あとは、河野太郎議員の入閣と、《NPO法人ハッピーロードネット》が実施した国道6号線の清掃をめぐる炎上などだろうか。会の趣旨自体は理解も賛同もするのだけれど、地元の再生を願う活動が、櫻井よしこのように強く政治的な立場を持つ人たちと関わることは誤解のもとであり、賛成できない。《ハッピーロードネット》が、正面から原発を推進する政治運動なら、話はまた別なのだが。

◆ それでは、以下、11日のニュースから。
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ティンプー、遠景。ぼんやり霞がかかっている。


【プナカへ】ブータンについて---20から続く
(本文、デジタル画像編集、構成/東間 嶺、以下すべて同じ)

首都へ

ドチュラの峠からティンプーまで、そんなに遠くない。最後の通行止め地点を通過し、車は順調に走り出す。疲れていても、都市に到着するという高揚感があった。そしてジャムソーたちの、久しぶりに帰宅するという安堵の気持ちを、私も感じとることができた。

山道はいつの間にか舗装の整った高速道路になった。両側の山肌を埋める建物が見る間に増える。ティンプーは山にはさまれた平原に発展した都市だ。東京やバンコクのような密度はなく、ちょっとスカスカした印象だったが、それは紛れもない『都市』で、高速道路はその真ん中に滑り込んでいった。

この国に、こんな所があるんだ!

2週間前にサンドゥルップで入国して以来、ずっと小さな村や町を旅してきた。ジャムソーは、ブータンの都市はティンプーだけであとはみんな『町』だと言っていたが、それは本当だった。

ティンプーは別格だ。
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 拙作「反偶然の共生空間――愛と正義の共生空間」が、第59回群像新人評論賞優秀作に選ばれ、『群像』2015年11月号に掲載された。関係者の皆様に改めて感謝する。執筆時のあれやこれやは「マガジン航」に寄稿した「新人(賞)の方法」に書いたので、合わせてお読みいただければ幸いである。

 本誌には「受賞のことば」(p.123)が掲載されているが、これは奇をてらっているとの理由で編集部から書き直しを命じられたものである――ちなみにその掲載版も冒頭部「一度、「受賞の言葉」を提出したのですが、「奇をてらい過ぎ」との理由でボツを頂戴し、どのようなものならば通るのか、戦々恐々としております。」と末尾「お目汚し失礼いたしました。」がカットされている――。ただ、私自身は最初に書いたものこそが真の「受賞のことば」であると考えているので、以下に転載しておく。
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丘の上にあるチミラカンの寺。周囲は公園のようになっていた。


【プナカへ】ブータンについて---19から続く
(本文、デジタル画像編集、構成/東間 嶺、以下すべて同じ)

チミラカンの寺で

プナカゾンを見学できないのは、残念というより、そういう巡り合わせのような気がした。もしかしたら将来、年取ってから来ることがあるのかもしれない。あるいは、見る必要のない場所なのかもしれない。

SUVに乗り込み、チミラカン寺のあるメッシナに向かう。プナカからは少し距離があり、ティンプーへ向かう途中だ。ネテンが道路沿いに車を止め、そこからチミラカンまで、水田の間を通る村の道をジャムソーと歩く。プナカゾンと同様、ここもいちおう観光スポットだ。車を止めて、さらに歩かなくてはいけないから、周辺が観光客でごった返しているということはないが、ガイドに付き添われた欧米人シニアのカップルがちらほら参拝している。

私もいずれは年を取るからこんなことを考えてはいけないのだが、どこもお年寄りのツーリストばかりで、それを眺めていると自分まで老け込んだ気分になる。ガイドに手を引かれた白人のおばあさんが、寺へ続くゆるい坂道を大儀そうに上って行く。

東ブータンでトレッキング中に出会った、時には幼いと思えるほどの顔立ちの人たちが懐かしくなった。

この日はジャムソーはおとなしく、落ち着いた様子だった。食事の場所についてリクエストを出すにはいいタイミングかもしれない。歩きながら、切りだした。
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写真:汚染水浄化設備群と処理水貯蔵タンクの山で、軍事施設か港湾の石油基地のごとく変貌を遂げた最近の福島第一原発。(© Google Maps:キャプチャ&補正=東間 嶺)

の噂も75日、という諺が、ある。諺、というもの自体が我が国では既に死につつあるのかもしれないが、とりあえず、そんな諺が、ある。ひとつの季節が終われば、どのような風聞であっても自然に消えゆくという内容だが、その時間感覚、タイムなスパンの意識は、現今の世界においては、あらゆる意味で妥当性を失っている。

れは、この世にまだインターネットという恐ろしい/素晴らしい情報インフラが無く、さらに、【炎上】という言葉が、文字通り【火が燃え上がること。特に、大きな建造物が火事で焼けること。(goo辞書)】だった時代の話だ。高度情報化社会が日々猛烈に高度化している2015年、【炎上】の勢いと、鎮火(忘却)のスピードは、季節どころか1日刻みで推移する。

なたは、国立競技場でイスラム国と佐野研二郎さんとピケティが在日でラッスンゴレライを8.6秒踊ったルミネのCMとクソコラグランプリのサインコサインを、覚えていますか?つまり、そういうことだ。
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(撮影・編集/東間 嶺、以下すべて同じ)


ウツノウミカラ、キカンセヨ!censored 再開にあたって  
 
掲題の通り、中断していたうつ日記の 公開を2012年9月分より再開することにした。理由は二つあって、ひとつは志半ばで中断していたこの日記を読みものとして完結させたいという気持ちがあること、ふたつめはこれを再開することで、すこしでも精神疾患(うつ病など)をお持ちの読者の方々の慰安・勇気付けになればと願うからである。ちなみに筆者は2009年の夏に発病して以来、約5年にわたって現在もなおうつ病の治療中である。

以前、この日記が中断された理由をいま明らかにすると、筆者の家族から、無断で各人についての記述を公開することはプライバシーの侵害にあたると抗議されたことにあり、現在よりも格段に症状が重かったわたしは、その声にうまく応じてコンテンツの軌道修正を図る余裕がなかったことにある。

というわけで、今回タイトルに"censored" と加えて記しているのは、文字通り(自己)検閲済みという意味であり、検閲の方法は前述の該当部分を泣く泣く削除したり、伏せ字にしたことによる。筆者の 家族や親族、友人らについての生々しい描写が十全にできないことは残念だが、一億総インターネット接続時代の代償であることをご賢察頂ければ幸いである。

それでは、お楽しみください。

さえき 拝
 

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ホワイトボード
撮影:東間 嶺(以下すべて同じ)


【SBS】第55回会合概要
1. 日時: 2015年9月26日(土) 19時〜21時 
2. 場所: マイスペース新宿区役所横店2号室 
3.テーマ: 武田徹『偽満州国論』を読む
※ FBイベントページ↓(当日参加者数10人)

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ブンタンの町の郵便局

【ガイドたち、ツーリストたち】ブータンについて---18から続く
(本文、デジタル画像編集、構成/東間 嶺、以下すべて同じ)

ブータン人のふりをして

9時過ぎにホテルを出発。この日の目的地のプナカへ向かう前に、ブンタンの町の郵便局でポストカードを投函した。車に乗り込み出発しようとすると、一人の男性がネテンに話しかけてくる。ゾンカ語で話しているが、「プナカ」と言っているのは聞き取れた。ネテンとの短いやり取りのあと、どうしてなのかわからないが、男性は会話を英語に切り替えた。

「カネは払う」
「ゲストがいるから、ダメだよ」

ネテンも英語で返事した。男性が車の中をのぞき込む。私と目が合うと、何やら納得した様子だ。あきらめ顔で車から離れて行った。ネテンはギアを入れ、車は走り出した。
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