2015年06月



【画像】INSTANT LAB UNIVERSAL本体(撮影:東間 嶺、動画含め以下全て同じ)

INSTANT LAB UNIVERSAL

◆ 一週間ほど前、作品制作用として、『THE IMPOSSIBLE PROJECT』が販売する世界初のデジアナ変換デバイスである『INSTANT LAB UNIVERSAL』(以下ILU)を購入した。iPhoneやAndroid端末に読み込んだデジタルイメージをインスタントフィルムとして現像することができる、いわば小型現像ユニットだ。

◆ 『THE IMPOSSIBLE PROJECT』は、2008年に経営破綻したポラロイド社のインスタントカメラ用フィルムの再生を試みるプロジェクトだとのことで、ポ社の元技術者が閉鎖されたオランダ工場をリースし、かつての商品を再現しようと生産を行っている。日本での販売は、『THE IMPOSSIBLE PROJECT TOKYO』で、わたしは、今回そこへILUを注文した。
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【二度と会わない人たち】ブータンについて---12より続く
(本文、デジタル画像編集、構成/東間 嶺、以下すべて同じ)

馬のいない朝

情緒的な問題なのか疲労のせいなのか、お腹が痛くなってきた。人を呼ぶほどではないが苦しい。部屋にトイレがついているのがありがたかった。

腹痛が和らいでうとうとし始めると、また痛くなってくる。

無理しないほうがいいと思い、持参していた常備薬を飲んだ。食あたりではない疲労やストレスが原因の腹痛は、薬を飲めば治ってしまうことも多い。外がうす明るくなるころには、お腹の痛いのも治まってきた。

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先月末の日曜日から、大阪にてグループ展に参加しております。
以下、詳細です。


2015年5月31日(日)より、大阪のART SPACE ZERO-ONEにて「食」をテーマとしたグループ展、『美術食堂 ~食べるところから新しい芸術は生まれる~ 』を開催いたします。是非多くの方々にお越し頂きたく、以下にご案内申し上げます。

『美術食堂 ~食べるところから新しい芸術は生まれる~ 』

参加作家:笹山直規、新宅睦仁、祐源紘史
開催期間:2015年5月31日(日)~6月28日(日)
開廊日:5/31、6/7、6/21、6/28 (各日13:00~18:00) 開廊日以外は事前(2日前)にご予約頂くことでご覧頂けます。
会場:ART SPACE ZERO-ONE(アートスペース ゼロワン)
住所:大阪府大阪市北区豊崎4-9-16白苑ビル31
 
美術食堂 webサイトhttp://bijutsushokudo.com/
 
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【ミクサテンからサクテンへ】ブータンについて---11から続く
(本文、デジタル画像編集、構成/東間 嶺、以下すべて同じ)

意外な知らせ

すっかり暗くなる頃、ジャムソーから意外なことを聞かされた。

「ロブザンとリンチェンは明日の朝2時にここを出発して、チャリングに帰るんだ」

一瞬、どういうことなのか理解できなかった。
彼らがここを出発する。行き先はチャリング。トレッキングの出発地点だ。出発時間は…

「朝の2時?朝の?今晩深夜という意味?」
「そうそう」
「どうして?」
「馬は、それぞれ決められた区間の中で使う規則があるんだ。サクテンから先は区間が違ってて、同じ馬は使えない。ここからフォメイまでは、別の馬が来るよ」

きっと昔の日本の伝馬制のような仕組みになっているのだろう。考えてみれば、トレッキング最終地点のフォメイまで同じ馬を使った場合、トレッキング解散後の帰路は、馬たちにとってすごく不経済なことになる。

最終日まで一緒に過ごすものと思っていた人たちの突然の出発、夜中の2時というあり得ない出発時間、そしてチャリングまでの困難な道のりを考えると、そんなことやめてくれと言いそうになる。

こういうことで動揺するのは、自分の心の弱さなのだろうか。
私は、平静を装った。

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シリーズ【ジャズ批評家を読む】をはじめるにあたって

掲題のとおり、ジャズ批評家を読む、という評論のシリーズをはじめることにした。
はじめるにあたって、あいさつ代わりではないが、少しばかり申し述べたい。

2006年から2009年までの4年間、ぼくは東京・京橋にあった映画美学校という学び舎で、真に客観的な音楽批評は可能かという問いに心身を蝕まれていた。日々を倦ませる酷薄なサラリーマン生活の傍ら、さまざまな音楽を仲間たちと共に聴き、語り、学び、そして壮大にズレまくった問いに(個人的に)向き合うことでうつ傾向の激しい自分を支え、何とかいきのびていたのである。

その成果は、仲間たちと作り込んだ『TOHUBOHU』(2010年末発表)という音楽同人誌に結晶したのだった。そして、自分の命の糧である書物と、その書物への思いを共有する場所として2010年秋には新宿文藝シンジケートというなまえのよろず読書会を立ち上げて、5年間活動してきた。何もかも、自分と共鳴しあってくれた友人たちのおかげである。いまでも心から感謝しているし、その気持ちが絶えることはない。

それは、それとして。

いまぼくは20世紀のジャズ批評家が書いたものに虚心に向き合い、それを仔細に読み、思ったり感じたりしたことを書きつけていきたいという気持ちに強く襲われるようになった。前世紀に書かれ、発表され、読まれてきた無数のジャズの批評は21世紀のこんにち、果たしてどのくらい読まれているのであろうか?そしてまたいま読むに耐える優れた作品はどのくらいあるのだろうか?そういった点を勘案しつつ、みなさまに楽しく読んで頂けるよう、精進していきたい。

この構想は2015年の正月に産声を上げた。全6回の予定で書き進める予定である。この6回はさしあたって著名なジャズ批評家の作品を取り上げていく。すこし名前を挙げてみると、今回第1回目のナット・ヘンホフ、その後に控えるはレナード・フェザー、アイラ・ギトラー、コンラッド・シルバートといった凄腕の面々。日本語によるレビューシリーズなので、邦人のジャズ批評家もとりあげられればと思っている。ジャズが好きでも、そうでなくても、お気が向いたときに、ぜひご高覧頂けると幸いです。

それでは、どうぞよろしくお願いいたします!!

さえき 拝

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