2015年04月


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遠くにメラクの村が見える。

【朝】ブータンについて---08から続く
(本文、デジタル画像編集、構成/東間 嶺、以下すべて同じ)

メラクのゲストハウス

この日はキャンプではなく、村のゲストハウスに宿泊した。旅行者のために建てられた村営の宿泊所、といった感じの施設だ。この地域を移動する地元の人たちは、どこの村にも親戚や知人がいて、夜は家に泊めてもらうのが普通だ。そしてそういった知人のない人や私のような旅行者がこのゲストハウスを利用する。

いちおうは電気があり、私にあてがわれた部屋には簡単ながら寝台、それにトイレもついていた。建物の間取りの中央、リビングエリアには薪ストーブが据えられ、さっそくロブザンが火を入れた。電気のコンセントはすぐに、みんなの携帯電話のアダプタでいっぱいになった。

馬から降ろしてもらった荷物を部屋に運び込み、一息ついた。
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凡例

この連載2014年にÉcole Nationale Supérieure d’Arts de Paris-Cergy
西田杏祐子が提出したマスター論文に加筆訂正を加え、自己邦訳したものである。原題および邦題は下記の通り。各回の引用文献はその都度、末尾に記す。

(原題) "La fabrique du passé : réflexions sur le photographique" 
(邦題) 『過去を造る―写真的なものについての考察』



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大変ご無沙汰しておりました。

2014年冬に大学へ提出したメモワール(マスター論文)の日本語バージョンを書いていきたいと思います。論題は下記のようなものです。

(邦訳) 『過去を造る―写真的なものについての考察』
(原題) "La fabrique du passé : réflexions sur le photographique"

"Fabrique" という言葉は工場あるいは小さな工房のことを示しますが、製造や拵えることといった意味もあります。しかし製造だとインダストリアルなニュアンスが出てしまいどうもしっくり来ない部分もあり、悩んだ末に動詞にしました。このような感じなので、日本語タイトルは別のものに変更されるかもしれませんが暫定的にこうしておきます。

内容については、そのまま翻訳というわけではなくブログ形式に合わせたり、加筆訂正したりする部分もありますが、大筋に変更はありません。
 
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小室直樹
(↑「小室直樹 なんとも型破りな天才学者」、『週刊大衆』、1983・3・28)

 小室直樹(1932‐2010)。社会科学者。経済学、心理学、社会学、数学など専門分化した諸学をマスターし、社会科学の統合的な理論構築を目指した。アカデミズム時代に、パーソンズの「構造‐機能分析」をより合理的な仕方でモデル化した。また、ソ連の崩壊を科学的に予言したことで注目を浴びた。主著は『危機の構造』(ダイヤモンド社、1976)、『ソビエト帝国の崩壊』(光文社、1980)。その他多数。
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【チュウタブタブ】ブータンについて---07から続く
(本文、デジタル画像編集、構成/東間 嶺、以下すべて同じ)

マダム、お茶の支度ができました

自宅以外の場所で眠れないのはいつものことで、これはもう体質だから仕方がない。いつまでも横になっていてもしょうがないので、5時半に起きた。寝袋の中に座ってしばらく瞑想する。テントの外で物音がする。みんなもう朝の仕事を始めているのだ。朝食がすんだらキャンプを撤営して、馬に荷物を積まないといけない。食事前に自分の荷物を整理しておいた方がよさそうだ。馬に運んでもらう荷物をダッフルバックにしまい込む。

その最中に、ギレが魔法瓶を持ってテントまでやってきた。

「マダム、ユア ティー イズ レディ」

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大友
(撮影:さえきかずひこ、デジタル編集:東間 嶺)

 2014年11月22日から2015年2月22日まで初台インター・コミュニケーション・センター[ICC]で開催された【大友良英 音楽と美術のあいだ】展に、会期後半である1月23日に足を運んだ。ぼくの個人的な記録によればその前にICCを訪れたのは、2005年3月21日(【アート・ミーツ・メディア:知覚の冒険】展)であり、約10年ぶりの訪問だった。 » すべて読む

 つい2週間ほど前、とある大学の通信教育課程を卒業した。七年という長きに渡る苦闘の末で、これが嬉しくない筈がない。特に最終年度は福岡の学生団体の会長を務める事になり、業務の遂行は悩ましい事の連続で、僅か三十人程の小さな会を纏めるのにもこれ程面倒なのかとため息を吐く事も多かった。そういうわけだから、これが(再度だが)嬉しくない筈がない。 » すべて読む


 En-Sophの編集者も書いていると一部で話題になっている(…ってこの枕、前回も使ったな)『Witchenkare』第六号を読んだ。小説・エッセイ・評論など37のコンテンツすべてを読んだので、前回と同様、そのうち3つを選んで少し感想を述べたい。
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カラー表紙(枠)
"Witchenkare" (撮影:東間 嶺、以下すべて同じ)

告知

◆ 既に公式でもお知らせしていますが、今年も、特殊で小型な文芸創作誌『Witchenkare(ウィッチンケア)』のvol.6に『ウィー・アー・ピーピング』というテクストを寄稿しました。1日に正式発行され、Amazonで取り扱いが開始されています。(運が良ければ!)全国の主要書店でも遭遇→お買い求め頂けるでしょう。昨年発行のvol.5同様、時間的、精神的、金銭的な余裕がある方は、是非ご一読下さい。


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