2015年01月

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お気に入りで毎日のように買っていたアイスの取り扱いがなくなるとの知らせに悲しみ、自分の生活の中で唯一といっても過言ではない楽しみはこんなに簡単に奪われていいものなのか、自分は毎日のように買っているのに不人気で販売中止とは不条理ではないだろうかと問う客、共感を覚える店員、後日、例のアイスのアップグレード版が発売になる、ここだけの話なんですけど、と伝える店員、大喜びして発売日を待ちわびる客、当日、喜んで買う客、その喜びにすごくほっこりする時間だったねと喜び合う店員たち、後日、全然別物じゃないか、前のやつのケミカルな味が好きだったのに、期待を持たせてそこから突き落とすとはどういうことだ、ひどい、上の人間を呼んで、店長じゃ話にならない、本社の人間を呼んで、と要求する客。勝手に期待してんじゃねーよと突き放す本社スタッフ。私が全部いけなかった、間違えた情報を伝えて期待させてしまった、責任を取る、といって辞める店員。

という場面が昨日見てきたチェルフィッチュの『スーパープレミアムソフトWバニラリッチ』にあった。

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 岡田利規『エンジョイ・アワー・フリータイム』(白水社、2010・2)には三篇の戯曲が収められている。『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』(2009)、『フリータイム』(2008)、『エンジョイ』(2006)。何れも非正規雇用者たちが抱える問題を、物語的にではなく、グロテスクなまでに加工された、日常会話体の冗長な日本語表現によって提示しているものだ。以下では一番印象に残った戯曲『エンジョイ』にしぼって感想を記しておきたい。
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【画像】Bangkok: "He is not hell's angels, but a kamikaze tuk tuk driver!"

【もうひとつの人生】ブータンについて---02から続く

(本文、画像編集、構成/東間 嶺、以下すべて同じ) 

金曜日

11月7日、金曜日。仕事は半日で切り上げて帰宅した。食事のあと、メールとメッセージの最終チェック。ガスの元栓を締め、冷蔵庫以外の電化製品のプラグを全部抜き、室内灯にはタイマーをセットした。PCと携帯電話は持たない。

暗くなる頃、自宅近くから市バスに乗る。この移動がブータンまで続くという実感も、自宅を3週間不在にするという実感もなかった。途中メトロに乗り換え、シャトルを利用して空港に向かった。まるで夜逃げみたいだと思った。自分が旅に出ることを、誰にも知られたくなかった。

フライトは定刻どおりの夜9時出発。海外へ行くときは、飛行機の中でディズニー映画を観るのがここ何年かの習慣になっている。今回は、『マレフィセント』を観た。呪いによって眠りに落ちた姫は、真実の愛のキスによってしか目覚めない。ただのキスではだめだ。いったい真実の愛というものは、存在するのか、しないのか。怒り、呪い、復讐、悔悛、真実の愛……。マニラで乗り換えて、日曜日の昼過ぎにバンコクに着いた。
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"ブータン風景"  撮影:Göran(Kartläsarn)
【画像引用】GATAG|フリー画像・写真素材集 3.0 http://free-images.gatag.net/tag/landscape-bhutan

【幸福以外の、何か】ブータンについて---01から続く

ブータントラベラー

翌日、受信トレイに「ブータントラベラー」という旅行代理店からメールが入っていた。差出人はカルマ・タシKarma Tashiという人物。私が問い合わせたグループ旅行については、現時点で参加者はいないが、私が行くのなら旅行手配するとのこと。ブータン行きのフライトは少ないので、11月に行くのなら9月中に席を押さえたほうがよい、とあった。

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とっくに三が日も終わっていますが、謹んで新年のお慶びを申し上げます。
今年が皆様にとって幸多き年となりますようお祈り申し上げますと同時に、おめでた可愛い図画で2015年の更新開始を宣言させて頂きたく存じます

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illustration:長野 精いりん/Seirin Nagano
(Work→ http://seirinnagano.com/works/group1/works1.html

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