2014年06月

 以下は杏ゝ颯太と筆者(杏ゝ颯太)との間で行われた対談の記録である。
 杏ゝ颯太は早くも夏バテ中であることに注意されたし。


筆者(以下、筆):
こんにちは。今日はお忙しいところありがとうございます。早くも夏バテ中だそうで(笑)
杏ゝ颯太(以下、杏ゝ):こんにちは。そうなんですよ。やー暑い!
筆:最近なんか新たな発見とかありました?
杏ゝ:ええ、ありました、ありました。美について新たな発見が。
筆:具体的にお聞かせください。
杏ゝ:美とは、亀裂である。
筆:具体的にお聞かせください。 » すべて読む

【承前】:《 結界の内側にて-1 》から続く

  Chapter-4:"Contamination"(汚染)


◆ 静寂の中、周囲には線量計の発するピッという鋭い電子音が不規則に響いている。液晶画面を見る。0.61μSv/h。旧警戒区域とは思えない低さだが、それでも東京近郊の平均からすれば十倍はある。飛び交うガンマ線を捉える音と数字が、生身の肉体がその場で受ける被曝量によって、《体験》が上書きされたことをわたしに告げる。Street View車が撮影のために行き交い、わたしが墓参のために立っている土地がどのような場所なのかを、露わにする。

 
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"Traffic gate(with two security guards)" Futaba, Fukushima (撮影:東間 嶺)


"うわ、またこりゃざっくりした地図だなあ"。防護服姿の伯母が車内から示した通行許可証と、一時立ち入りのルートが「ざっくり」書かれたコピー紙を見るやいなや、郵便局前に設置された『ゲート』の前へ立つ初老の警備員二人は素っ頓狂な調子の困り笑いを辺りに響かせた。午後の日差しが強くなってきていて、ヘルメットに安物の綿マスク、汗が滲んでくたびれた水色のワイシャツ、そして『原子力災害現地対策本部』の文字が入った安全ベストという《ふつう》の格好をした彼らは、首を捻りながら何度も地図とゲートの向こうを見比べていた。
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書き殴っても書き殴っても誰も何も言わない (ハルカトミユキ「消しゴム」)
 
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凡例  

1:この翻訳はジルベール・シモンドン(Girbert Simondon)が1965年から1966年まで行った講義の記録 Imagination et Invention ” (Les Editions de la Transparence, 2008)の部分訳(40-42p)である。 
2:イタリック体の文章は「」に置き換えた。書物題名は『』、強調や引用を示す《》はそのまま用い、文中の大文字表記は〈〉に替えた。〔〕は訳者による注記である。
3:訳文中の青文字は訳注が末尾についた語や表現を指し、灰文字は訳者が自信なく訳した箇所を指している。また、太字強調は訳者の判断でつけたもので、著者によるものではない。
 
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 去る六月十四日、数ヵ月前まで私が在学していた大阪教育大学にて有島武郎研究会が開催された。有島武郎の専門家でもなく小説自体も決してたくさん読んできたわけではない私がこの会に参加した理由はただ一つ、荒木優太さんの発表があるからだった。 » すべて読む

凡例  

1:この翻訳はジルベール・シモンドン(Girbert Simondon)が1965年から1966年まで行った講義の記録 Imagination et Invention ” (Les Editions de la Transparence, 2008)の部分訳(39-40p)である。 
2:イタリック体の文章は「」に置き換えた。書物題名は『』、強調や引用を示す《》はそのまま用い、文中の大文字表記は〈〉に替えた。〔〕は訳者による注記である。
3:訳文中の青文字は訳注が末尾についた語や表現を指し、灰文字は訳者が自信なく訳した箇所を指している。また、太字強調は訳者の判断でつけたもので、著者によるものではない。
 
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凡例  

1:この翻訳はジルベール・シモンドン(Girbert Simondon)が1965年から1966年まで行った講義の記録 Imagination et Invention ” (Les Editions de la Transparence, 2008)の部分訳(35‐39p)である。 
2:イタリック体の文章は「」に置き換えた。書物題名は『』、強調や引用を示す《》はそのまま用い、文中の大文字表記は〈〉に替えた。〔〕は訳者による注記である。
3:訳文中の青文字は訳注が末尾についた語や表現を指し、灰文字は訳者が自信なく訳した箇所を指している。また、太字強調は訳者の判断でつけたもので、著者によるものではない。
 
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承前

 およそ二ヶ月程前にスタートした連載・ハルカトミユキ。当時の私がどのようなゴールを見据えて連載を書き始めたのか今となってはまったく思い出せないが、断片的に書いては一つの空間へと還元してしまうことを繰り返していた状況に何らかの亀裂を入れようとしていたことだけは連載第一回を読むと確かなようだ。なぜそのような状況に陥ってしまったのか? » すべて読む

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1:この翻訳はジルベール・シモンドン(Girbert Simondon)が1965年から1966年まで行った講義の記録 Imagination et Invention ” (Les Editions de la Transparence, 2008)の部分訳(33‐35p)である。 
2:イタリック体の文章は「」に置き換えた。書物題名は『』、強調や引用を示す《》はそのまま用い、文中の大文字表記は〈〉に替えた。〔〕は訳者による注記である。
3:訳文中の青文字は訳注が末尾についた語や表現を指し、灰文字は訳者が自信なく訳した箇所を指している。また、太字強調は訳者の判断でつけたもので、著者によるものではない。
 
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