2014年04月


(↑日本用予告は内容が違いすぎるので原語版を。吹き替えで特徴的だったのは「沢城みゆき」が無駄に活躍するということ。「沢城みゆき」ファンも必見だ)。
 
 映画『LEGO(R)ムービー』(2D吹き替え)を観た。素晴らしすぎる。上映中、ずっと号泣していた。この手の話の最高峰は、無論、みんな大好き『トイストーリー』シリーズとなるだろうし、私自身も好きな映画であることには変わりないのだが、今回の『LEGO』は玩具映画チャンピオンだった『トイストーリー』を超えたかもしれない。神的なまでに凄まじい。そのくせ、ストーリーは単純だ。LEGOワールドを思うがままに支配しようと企む「おしごと大王」の野望を阻止するため、「選ばれし者」に間違われた一作業員の「エメット」が、世界を救う「幻のパーツ」をめぐって奮起奮闘する。その冒険を通じて、遊びにおいて「マニュアル」とは何か? 人はどうやって「選ばれる」のか? といった、意義深いテーマが展開されている。「マニュアル」への叛逆記という意味で、私にとっては西尾維新『少女不十分』の後継として位置づけられる一作だといえる。

 さて、ネタバレしよう。

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承前と告知 

承前〕で言及の通り、多摩美術大学の青野聰研究室が発行する学生・OB作品集《多摩美文學》に短編小説を寄稿しました。タイトルは《≠ストーリーズ》、名義は戸籍の方を使用し、総文字数はおおよそ2万7千字。原稿用紙換算では90枚弱(※ 青野教授が三月末付けで退官なさったため、作品集はこれが最終号となる。実本は画像参照)
 

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 【多摩美術大学 文学特殊研究ゼミ誌2013-14 青野聰教授退官記念号 《多摩美文學》】

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 大学に入学してから兄と二人暮らしを始めたが、それまでの生活との最も大きな変化は個室を持てたことだった。実家では兄と一つの部屋を共有していたのでしばらくはこの事実が単純に嬉しかった。特に、部屋のドアに鍵が付いていること。これがたまらなかった。 » すべて読む
告知 

1日に発売された文芸創作誌【Witchenkare】に、【《辺境》の記憶】という短いテキストを寄稿しました。精神的、金銭的な余裕がある方は、是非ご一読下さい(Amazon
ウィッチンケア第5号チラシ(修正)

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 最近『大統領の執事の涙』と、『それでも夜は明ける』を立て続けに見ました。両者とも凄く良い映画で色々と考えさせられたんですが、そこでふと「そういえば、去年一番良いと思ったのは『ジャンゴ』だったな」と思いだしたんです。前の二つは黒人差別(奴隷問題)が主題の実話を基にした映画ですし、タランティーノの最高傑作『ジャンゴ』は血が乱れ飛ぶ西部劇ですが、やはり黒人差別は明確なテーマとして物語の背景になっています。更に言えば、好きな映画を聞かれたとき答えるお気に入りの一つにエドワード・ズウィックの『グローリー』があります。これは南北戦争で奴隷解放を求めた北軍の黒人部隊のお話です。デンゼル・ワシントンがスターダムにのし上がった映画で、これも非常に感動的で素晴らしい作品です。


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(↑消費税増税前に、ついに『有島武郎事典』(勉誠出版、2010)を買ってしまった。いい加減、図書館で利用するのも面倒になってきたから。よーし、これからがんがんアリシマるぞー!)。

 今月、「有島武郎『骨』小論――詩へのスプリングボード――」を書いた。有島の晩年小説『骨』は、〈こつ〉と読むべきか〈ほね〉と読むべきか、という問いを導入にして、勃凸の聴覚的世界を分析し、その描出の背景となる作家論的文脈として、有島武郎の漢字廃止論、そして小説以上に評価される詩の優位性の芸術観を読み取った。文字数は9458字、原稿用紙に直すと24枚程。目次は以下。


  • 一、〈こつ〉か〈ほね〉か
  • 二、勃凸の聴覚的世界
  • 三、有島武郎の漢字廃止論
 

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