大人は不快なことに対して直接訴えない。
ただ立ち去るのみである。
祖母はいつも7時30分くらいから朝ごはんを食べる。そして30分はごはんを食べている。そんな情報を母より入手した。ならば8時からごはんを食べよう。そうすれば、もう不快不愉快な朝ごはんタイムとはおさらばである。
起床。絵を描いて英語の勉強をして、7時30分。それから、ランニングにでかけた。ランニングは約20分。シャワーを浴びて約10分。ちょうど8時になる。完璧なタイムスケジュールである。心なしか、ランニングの足取りも軽い。気のせいか、瀬戸内海はいつにも増して穏やかである。
爽やかなハァハァを漏らしながら帰宅した。
さて、シャワーを浴びてごはんを…
…と思っていると、ちょうど祖母がごはんをよそっているところであった。
祖母はぼくを見て、「おはよう」と笑ったが、ぼくは声を失い、引きつった。