2013年03月



凡例


1:この翻訳はエミール・ブートルー(Emile Boutroux)の『自然法則の偶然性について』(De la contingence des lois de la nature [Paris,1898]の部分訳である。原著はINTERNET ARCHIVEで全て閲覧できる。
http://archive.org/details/delacontingence00bout

2:強調を示すイタリック体は「」に置き換えている。《》はそのまま用いており、〔〕は訳者による補足である。

3:訳出にあったって、野田又夫訳(創元社、1945・11)を適宜参照した。


 

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【幸福否定の研究とは?】


勉強するために机に向かおうとすると、

掃除などの他の事をしたくなったり、娯楽に耽りたくなる。

自分の進歩に関係する事は、実行することが難しく、“時間潰し”

は何時間でも苦もなくできてしまう。

自らを“幸福にしよう”、"進歩、成長させよう”と思う反面、

“幸福”や“進歩”から遠ざける行動をとってしまう、人間の

心のしくみに関する研究の紹介




前回は、笠原氏が治療の方法論として【空想】という手法を用いるに至った経緯と、分裂病の症状を引き起こす原因の解釈として【ライバル論】から【PTSD理論】、そして【幸福否定】の一歩手前に辿りつくまでの過程を書きました。

今回は、【感情の演技】という治療法と、【幸福否定】の理論が完成するまでの過程を書いてみたいと思います。
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2011年になって、そろそろ貯金がなくなってきた。
2月の半ばごろにパリ中心地の某高級日本食料理店でウェイトレスの仕事をはじめた。

ところが、うまくやろうと思えば思うほどうまくいかない。料理と人が行き来する中で頭の中は真っ白。いろんな失敗をやらかし、オーナーにもこっぴどく注意されるのだが、それによって改善されるどころか、益々おかしなことをするようになる。結局1ヶ月でやめたが、その間仕事の疲れで予備校にも碌に行っていなかった。3月、久しぶりに顔を出すと、みんな志望校を決めたり、書類準備をする時期になっていた。 » すべて読む
 中村さんがやってくるまであと2時間半ある。ということはドトールに入ってすでに1時間半が経過したのだ。そのことを考えると、やはり入店時にケチらないでLサイズの飲み物を頼んでおいて良かった。これがSサイズというのは論外として、1時間半も滞在すればMサイズではドリンクを完全に飲みきってしまっていささか見栄が悪くなる。Lサイズだと完全に飲みきるのは難しいし、とても暑い夏の盛りでもなければ、長居するためにオーダーするのは明らかだった。ドトールのドリンク、とりわけLサイズの商品には実はそのような記号的役割があるのだ。 » すべて読む
   証言 班目春樹 原子力安全委員会は何を間違えたのか?
 【 国会事故調 2012年2月15日 班目春樹 】                   新潮社刊 「証言 班目春樹」


「ぼくたちは何だかすべて忘れてしまう」

◆ 事故から二回目の3月11日を迎えたと思ったら、あっというまに10日以上が経った。昨年の3月11日に、「ちょうど一年になる」とかなんとかFacebookやTwitterで呟いていたときから、本当にあっと言うまに、さらなる一年が過ぎたのだ。

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P1140623


 初めに断っておくが「2.0」に特に意味はない。今のうちに使っておかないと、そのうち使うのが恥ずかしくなりそうだから、使ってみただけだ。

 (もうそろそろウザイと思われているかもしれないが)先月、単著『小林多喜二と埴谷雄高 [文庫]』をAmazonにて発売したのだが、Twitterでのつぶやきをみてみると、Amazonに対して敵愾心をもった方が案外多いようだった。ネオリベ批判、或はグローバリゼーションの名を借りたアメリカニゼーション批判の一貫なのかもしれないが、私自身はそのことに関して余り興味はない。本題はそこではない。

 私は別段Amazonに拘っているわけではない。そもそもアマゾン・ユーザーとしてはほとんどビギナーに等しく、Amazonで初めて本を購入したのは今から丁度半年ほど前でしかないのだから、こだわる理由など探そうとしてもみつからない。私としては何らかの負荷と引換えに本が交換されればそれで良く、Amazon販売にしても閲覧者の限定される物理的書店よりも多くの人の目にとまるネット書店の方がコストパフォーマンスがいいだろうと考えたからだ。
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 中村さんと酒を飲むまで、あと4時間はある。この時間をいったいどうやって潰そうかと考えた。しかし、あまり良い考えは浮かばなかった。しかたなくわたしは新所沢駅前のドトールに入ることにした。ドトールに入ってアイスコーヒーのLサイズを注文し、席に着いた。喫煙席はきちんと換気されており、混み具合も適当だった。わたしはかばんから谷川俊太郎の詩集を取り出して読み始めた。しかし、彼の詩はあまり心に響いてこなかった。仕方ないので、中村さんから借りているその詩集を閉じ、マルボロアイスブラスト8mgを一本箱から引き抜いて、安っぽいライターで火を着けた。いつもと代わり映えのしないマルボロの味。最近は一日に一箱、つまり20本を吸ってしまうのが常だった。 » すべて読む

 タイ側の国境の町、アランヤプラテートまでは列車を使い、カンボジア側の国境の町、ポイペトからはバスを利用した。
 タイの首都バンコクに住んでいた
10年前、ビザ更新の為に訪れたカンボジア旅行の話だ。
 元々カンボジアには全く興味が無かった。しかし最初の旅行でアンコールワットのあるシェムリアップという町を気に入ってしまった。そしてその後、バンコク在住の二年弱の間に、僕は四、五日から最長一ヶ月まで、結局計五回程シェムリアップに足を運ぶ事になる。

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 先月、研究成果である『小林多喜二と埴谷雄高 [文庫]』を発表発売した。

 以下、その正誤表を掲げておく。二週間程時間をとって、注意を払って校正に臨んだつもりだったが、多くの誤りを出してしまった。深く反省する。これも含めて今現在の自分の無能と受け取り、今後さらに精進していきたいと思う。次の活動に、この経験が生かせれば幸いだ。

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