2012年05月

今回は【言葉の常備薬】呉智英/双葉文庫 からのお話。


ぼくは子供のころから、父親に「”食う”のは動物、”食べる”のは人間」だと教えられてきた。


それでぼく自身は周りがいくら「食う」と言っていても、意識して「食べる」と言うようにしてきたつもりである。でも、実際のところ、食うって表現をする人はあまりにも多い。最近の傾向なのかどうかわからないが、女の子でさえも「食ってみて」なんて言っていたりする。


食うという表現に接するたび、ぼくは、別にどうってことない反面、どこか気持ちのよくないしこりを感じ続けてきた。

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En-Sophという文化一般に一家言ある人々が集まる場を利用して、新譜のクロスレビューというものを行ってみました。題材は、ミュージックマガジン撤退も話題になった菊地成孔氏率いるDCPRG「Second report from Iron mountain USA」
藤沢某所にある細谷邸にて、家主が振る舞う料理に舌鼓を打ちつつ、さまざまな音楽的バックグラウンドを持つ5人が集まり、忌憚のない意見を交わし合いました。これはその第1回です。このある意味「問題作」と言える音楽を5人がどのように聴いたのか、その視点の違いをお楽しみ下さい。
(企画・編集:細谷滝音) » すべて読む

※ このエントリは、昨年12月3日のはてなダイアリーで公開した「Unter Kontrolle」のレビューに若干の加筆を施したものです。テキスト内の日付、時事情勢などは当時のままになっています。



『アンダー・コントロール』公式サイト

「見よ、原子炉の壮大な美しさ!」
「これは反原発サン、怒るわけだ」


◆ 渋谷から宮益坂を上って、少し歩いたところにある狭い映画館の一階、壁に貼りつけられた週刊誌のレビューが、冒頭でそんなふうに茶化していた。

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S氏と/下






「ミンガス」
「ええ、ミンガスです」Sさんが言う。
「たしか苦手じゃなかったでしたっけ?」
「以前はそうでした。でも、最近は悪くないなと思いはじめて。この曲も実にいい」
僕とSさんは、ふたりともジン・トニックを飲んでいる。
未だにバーに入ると一杯目はジン・トニック率がどうしても高い。
なんか学生の頃から全然成長していないみたいだ。
Sさんもそうなのだろうか。
そんなことをためしに尋ねてみると、「そうですかね」とSさんはやたら泰然としている。

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ここ最近、日がな寝てばかりいるので、毎日があっという間に過ぎてゆく。朝、妻に起こされ、母からもモーニングコールがケータイにかかってくる。時計を見ると7時を回ったばかりだ。まだ眠れる、どうせきょうも予定は何もない。ああでもとりあえず、朝ごはんは食べよう。モグモグ。 » すべて読む

One value even of the smallest well is, that when you look into it you see that earth is not continent but insular.
――Walden, or Life in the Woods
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ボクシングジムについて①

前回「ジム制度」或いは「クラブ制度」と呼ばれる日本ボクシング界の制度について紹介した。日本におけるジム制度とは、日本プロボクシング協会加盟のプロボクシングジム(以降、それぞれ単に協会、ジムと記す)がプロモーターやマネージャーなどを丸抱えし、プロボクサーの全権を握るジム経営のシステムの事である。これに対し、欧米などのボクシング先進国では「マネージャー制度」が敷かれており、特にアメリカではボクサーのプロモーターとマネージャーを兼業する事が禁じられている。

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2012-04-29 001a



「今年も掘ってきたんですが、あの…どうしましょうか?」
「え?どう……って仰いますと?」
「いやあ…ほら、なんか色々あるじゃないですか、最近…」
「色々…ええ、色々って、はあ…」
「いやほら、いるじゃないですか気にする人も、色々出てるんでしょ?最近」
「出てる…はあ、出てる…って、あ!あーーー!放射能!
「特に検査とかしてないですから、一応、確認しておこうかなって」
「はいはい、なるほど…、あー、放射能かー!
「セシウムとか言うんでしょ」
セシウム!そうですねセシウムセシウムですね、はい」
 
 
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【幸福否定の研究とは?】

勉強するために机に向かおうとすると、掃除などの他の事をしたくなったり、娯楽に耽りたくなる。
自分の進歩に関係する事は、実行することが難しく、“時間潰し”は何時間でも苦もなくできてしまう。自らを“幸福にしよう”、"進歩、成長させよう”と思う反面、“幸福”や“進歩”から遠ざける行動をとってしまう、人間の心のしくみに関する研究の紹介。


私が、幸福否定の研究をはじめてから現時点で6年半、治療法として取り入れてから
3年近く経っています。最初は治療法の一環以上のものではなかったのですが、
最近、もう一つ大きな問題がでてきました。
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もう随分前の話になるが、その夜、十年来の友人である中国人女性が経営するパブに招かれて、長居し、ウィスキーのボトルを一本空けた。店は恐らく前身のキャバクラを改装したのであろう、煌びやか過ぎず、暗澹過ぎず、日本によくあるタイプの安価なパブといった程度の店だった。日本人経営のキャバクラと違うのは、コンパニオンが全員中国人女性ということだけだ。皆、セクシーなチャイナドレスを着ているが、どこか垢抜けない。そんな印象を受けた。色んな女の子と会話をしたが、ほとんどの女の子が福建省というあまりぱっとしない地域の出身であった。最後の一時間くらいだろうか、皆からママと呼ばれる私の友人と昔話など冗談を言い合って、明け方に店を後にしたのだった。

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