【はじめに】


 1982年に公開されたアラン・J・パクラ監督の映画『ソフィーの選択』は、第二次世界大戦が終結した二年後のニューヨークから物語が始まる。主要な登場人物は三人。メリル・ストリープ演じるソフィー、ケビン・クライン演じるネイサン、そして、スティンゴを演じるピーター・マクニコルだ。ソフィーとネイサンは恋人同士であり、南部からニューヨークにやってきた二十二歳の作家志望の青年スティンゴもまたソフィーに恋心を抱いている。この映画をソフィーとネイサン、そして、スティンゴの三角関係、つまり、恋愛物語として観ることも可能ではある。しかし、そう観るには、物語は重く、複雑すぎる。では、我々はこの名作映画をどう観るべきだろう。 

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【ジョモラリキャンプ】ブータンについて---30から続く
(本文、デジタル画像編集、構成/東間 嶺、以下すべて同じ)


馬の優しさ、人間の優しさ


翌朝は寒かったもののよく晴れて青い空が広がった。トレッキングも4日目で、今日はこのキャンプ地を出発する。出発前に隣のテントのグループにあいさつしに行った。他のグループのトレッカーも来て、数人で立ち話になった。

私がひとりでトレッキングを計画したのだと言うと、どうやって手配したのか聞かれた。私はひとりなのでブータン人のチームメンバーと交流する機会には事欠かなかった。ローカル志向の強いトレッカーには、うらやましい条件だったのだと思う。

トレッキングのグループが何組もいるので、キャンプ地には荷役の馬もたくさんいた。そのうちの一頭が、立ち話をする私たちの所に来た。馬たちはおとなしい。この馬もおとなしくて、トレッカーたちは口々に「かわいい」と言いながら馬を撫でた。

確かに馬たちはいつも静かで従順で、「かわいい」と言ってもいいのかもしれない。馬はブータンの山や村の生活に欠かすことができない存在で、人々は荷物を積んだ馬と歩き、苦労を共にする。かわいがるためだけの愛玩動物とは違うし、馬たちと本当の苦労を分かち合っているわけではない私に、無責任な愛情を注ぐ資格はないような気がした。だから私は、その馬を撫でなかった。

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Google Play Music

ぼくは2015年から、主にスマートフォン(iPhone5s)で、GooglePlayMusicのサービスを利用し始めた。厳密に言うと、2015年の9月3日から使い始めている。1か月の無料期間を経て、定期購入料780円をグーグル社に毎月支払っている。

わが国でも展開されているいくつかの、いわゆるサブスクリプション型の音楽サービスのうち、なぜGooglePlayMusicを利用することにしたのかには、つぎのとおり、大きく3つの理由がある。

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 まさか続編があるなんて思ってなかったでしょ? はい、私もです。 
 

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【トレッキングの仲間】ブータンについて---29から続く
(本文、デジタル画像編集、構成/東間 嶺、以下すべて同じ)


山の中の社交場


ジャンゴタングの標高は4,044m。ブータン北西部をトレッキングするルートはいくつかあるが、いずれもシャナを出発してジャンゴタングまで同じ道筋だ。そして、たいていのグループは高地順応のためにジャンゴタングで2泊程度、滞在する。私たちもここで2泊する予定だった。整備された広いキャンプ地のあちこちにテントが張られていた。この日は私たちを含めて6つのグループがキャンプしていた。

トレッキングのグループには通常2~6人程度のトレッカーがいて、彼らにガイド、トレッキングコック、ホースマン、アシスタントが同行する。トレッカーの人数が多ければ、サブのガイドやアシスタントがつく。グループが大きいと当然キャンプ装備も多く、それを運ぶ馬の数も多くなり、場合によってはかなりの大所帯になる。

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(撮影:山口倫太郎、デジタル補正:東間嶺。以下すべて同じ


2016/5/18

 夕食にはまだ早い時間だったので、熊本駅に着くなり友人がドライブに連れ出してくれた。数度目の渋滞に巻き込まれた時、友人はため息交じりに「最近また車が増えた」と嘆いてみせた。

 車は熊本市内を抜けて益城町に入った。先程までとは打って変わって、一目で分かる被害の大きさに僕は言葉を失った。しばらく走ると、やがて緑豊かな広大な土地に出た。この辺り一帯は再春館製薬所の敷地だそうだ。ここでは昨年末まで毎年クリスマスシーズンにイルミネーションが設置されたが、残念ながら2015年をもって終了してしまったという。
 本来ならばこういう時にこそ、と思わないでもないが、どうやら物凄い労力が必要らしい。きっとその労力は復興や、自社、並びに地域の活性化に使われるのだろう。

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 山本貴光+吉川浩満『脳がわかれば心がわかるか――脳科学リテラシー養成講座』(太田出版、2016)は『心脳問題』(朝日出版社、2004)の増補改訂版である。本書を読んでいて思い出したことがある。
 

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